その他短編

□接吻の意味
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「緋村君。こちらが、明日奈 夕葉さんだ。
新しく、この新時代のために闘ってもらう事になった。」




緋村剣心。またの名を、緋村抜刀斎。



『よろしく、緋村。』


剣)「ああ。」





「部屋は彼と一緒。任務も一緒にこなすことになるだろうから、分からない事は彼に聞くといい。」


『はい、分かりました。』





私は、男のフリをして明治時代を築くため…
維新志士となった。






そこで出会ったのが緋村。





緋村とは、一緒に闘う仲間…というのも適当かどうか分からないが、
自分の中で、それ以上この人と関わり、互いの心に踏み込もうなどと考えては居なかった。






『緋村。』




だから、私はその名で呼び続けた。

近くも遠くも無い、呼び方。





そして、必要以上には呼ばず、無駄の無い会話。







その一定の距離を…















好きになれば負け同然だ。

もう傷つかないために…





私はもう、女にはならない。









そう誓っていた。


















初仕事を終え、部屋に戻る。




剣)「強いな。」

『まあ、自分が弱いと知っていれば、ここには居ないからな。』


剣)「…それもそうか。」

『ああ。』





こうして、会話は終わる。





必要以上に関われば、距離を測れなくなる。


近づけば傷つきやすくなる。
近づくほどに離れたなくなる。










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