その他短編

□悪夢も突然に…。―高杉晋助ver.―
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3日目。朝。


『ギャァァァァァ!!!』

絶叫しました。



晋)「うっせーな。」


彼は耳をふさぎ、不機嫌そうな表情を浮かべる。


『な、なな、何、何で居るの?!』

私は彼を指差す。


晋)「ホテルじゃ一人だからな。花札の相手が居ないだろ。」

彼は笑いながら、キセルを吹いた。


『いや、そうじゃなくて、どうやって入ってきたの?!』


晋)「ピッキングくれぇ簡単だ。」

『泥棒じゃねーか!!!』


晋)「何も盗んでねーよ。…あ、これから盗む予定だけどな。」

『何を??』

晋)「お前の心…」


私は何も言わずに、彼を蹴りました。
全然ときめきません。ていうか気持ち悪い。


晋)「安心しろ、ちゃんと内側から鍵かけたから。」

『安心できねーよ!!うち、どんだけ泥棒入りやすい家な訳?!』

晋)「お前の家が入りやすいんじゃねー。俺が天才なんだ。」

『自意識過剰すぎるわ!!一回死ね!!』

晋)「…死にかけたぜ。攘夷戦争の時…。」


少し落ち込むフリをする晋助。

『…いや、そういうマジな話出さないでくれる??
私、アンタに本気で死ねとか思ってないから。冗談だから。』



晋)「…じゃあ、好きなんだな。」


フッと笑いながら言う、この自意識過剰男。
自殺者とかが増えてるこの時代で、ポディシブ思考はいい事。

でも、…自意識過剰だよ。そこまでくると面倒くさいよ。



『…どっから、そうなった…。アンタの頭の中が見てみたいんだけど。』





晋)「でも、好きだろ?」

『いや、好きでは無い。…つーか、どっちかって言うと、嫌い寄り??』

晋)「嫌いな男を布団に入れるか??」

『私が入れたんじゃない!!お前が入ってきたんだ!!』





『…てか、ちょっと着替えなきゃいけないんだけど、』

晋)「…今日も俺は暇なのか。」

『いや、バレないようになら出入りしていいよ。つか出てけ。』




晋)「…今日も迎えに行ってやるよ。」

『大迷惑です。いや、人の話聞いてる??』

晋)「昨日と同じ時間か??」

『大迷惑なんで。人の話聞いてる??』

晋)「じゃあ、校門の前でな。」

『大迷惑だから。人の話を聞け!!』

晋)「今日もデートしようぜ。」

『しねーよ!!しかも、昨日もデートしたみたいに言ってんじゃねー!!』



晋)「今日も俺の服選べよ。」

『昨日、自分で選んだじゃん。私の却下だったじゃん。』



…と、時計を見ればまたギリギリなので、

『着替えるから寝てて!!』

なんて、無茶苦茶な事を言って、死角になるところで着替えた。


『(何で私がこんなところで…。)』


晋)「いいだろ、そこで着替えれば。寝てんだから。」

私が着替えて出てき次第、すぐに彼はそう言った。



『じゃあ、もっと信用出来る行動をとってください。』



それだけ言って、私は部屋を飛び出す。



『行ってきます。』

晋助は「おう。」と言って、こちらも見ずに手を小さく挙げる。



何か、笑顔がこみ上げて、…あんだけ憎まれ口を叩いていても、

『(やっぱ帰ってきてほしかったんだな…)』
と、自分の素直な気持ちを確認する。




『(素直じゃないなー…。)』

たった2日だけなのに、悔しいけど、アイツの事結構好きだと思う。








晋)「(素直じゃねーな。)」








晋)「ククッ(まァ、可愛いけどよォ。)」








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