その他短編
□悪夢も突然に…。―高杉晋助ver.―
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『おはよ^^』
「…あ、怒ってない??良かった…。」
そういえば、私を置いて行った優希さんでした。
「その顔は嬉しい事があったと見た。何??あの後、何があったの??」
『…逃げた人には言いませーん(笑)』
「えー…」
『だって、逃げたじゃん。』
「…ごめんなさい。すみませんでしたー。」
私は微笑んで、『いいよー』なんて言う。
「やっぱ、機嫌いいね。」
『今日はゆっくり寝たからね。』
「花札しなかったんだ。」
『…まァ色々とあったんだよ。』
…恐らく今日はまた花札に付き合わされることだろう。
『(晋助、今頃何してんだろ…??)』
学校に到着すると、いきなりあまり喋ったことの無い男子に話しかけられた。
「あのさ、明日奈さん!!」
『はい、何でしょう??』
ビックリしすぎて、同級生…というか、クラスメートなのに敬語で応えてしまった…。
「昨日、一緒に居た男の人ってさ…誰??」
『えっと、』
私、そういえば、変な人に絡まれてるって言ったんだっけ…??
「普通に喋ってたから、…先生にも冗談だと思うって言ったんだけど…。」
『ありがとう。』
すみませんね、事後処理させたみたいで。
「…で、本当は誰なの??」
『まぁ、知り合いだけど…。』
…そういえば、何でみんな高杉晋助って気付かないんだろう…??
「明日奈さんとどういう関係??」
『どういうって…』
「彼氏??」
『いや、違う。断固違う。それは全力で否定する。』
近くに居た優希が「どんだけ否定すんの?!」と驚きながらも、
「夕葉の親戚だよね。」
と、適当にフォローしてくれた。
『そうそう、ちょっと遠い親戚なんだ。』
「ふーん、…あの人、すごく怖かったけど、もしかしてヤ○ザ…??」
『ううん、違う違う!!』
…本当はヤクザよりも性質の悪い、危険人物だけど!!テロリストだし!!
『あんな怖い感じに見えるけど、花札とか好きだし!!』
「賭博…それって、やっぱり、ヤ○ザなんじゃ…。」
『違う!!断じて違う!!』
「え、アイツヤ○ザなの?!」
『違うってば!!』
「明日奈って、意外に…。」
『だから、人の話を聞いてってば!!』
こうして、学校に「明日奈 夕葉の彼氏はヤクザ」という噂が広まったのでした。
『(あんのヤロー!!これで私は有名人じゃねーか!!)』
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