御題小説
□確かに恋だった:「遅すぎた初恋を語る」
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阿)「お疲れ、」
『お疲れ様です。』
阿伏兎はいつも、夕葉に話しかける。
話しかける、と言っても…任務後に、夕葉が阿伏兎に報告をするんだけど…
直接の上司が阿伏兎だからね、
何で、あんな奴の下に居るんだろう…?←
本当は団長の権限で、俺の秘書とかにしたいんだけど、
(職権乱用って怒られるけどネ)
だけど…
はっきり言って、側に置いたところでどうするんだろ…??
そもそも、何で側に居てほしいんだろ…?
それに、…こんな変な気持ちのままじゃぁ、
側に居たって何も出来ず、話すことさえ…
今でさえ、ほら…。
君が心配で仕方なかった。
弱い奴は死ねばいい。
そう思い続けてきた。
強ければ死なない。
強くなればいい。
強くなれなかった奴が死ぬだけ…
なのに、無事で、怪我しないか…
君が心配で仕方ないんだヨ。
大丈夫??
お疲れ。
しんどくない??
怖くなかった??
…傷ついてない??
言いたいことはたくさんあって…
今も、こんなに近くに居るのに…
結局、壁に隠れてばかりで…
―何度、偶然を装って声を掛けようと思ったか。そんなわずかな勇気もない俺。―
(俺って、弱いのかな…??)