御題小説
□確かに恋だった:「自信家な彼のセリフ」
2ページ/3ページ
『いや、意味分かんないですけど…。』
今のは引いた。
何でこんな自意識過剰なんだろうか…
いや、確かに見た目がかっこいいのは否定しないけど。
『何でそんなこと言うんですか??』
威)「んー…暇だからさ、ね?」
『団長さんがそんな暇なわけ無いじゃないですか。
それに、あなたが暇だとしても私は暇では無いので。』
何の団長なのかは知らないけど、それなりにえらい人なのだろう。
『それじゃあ、失礼します。』
私が顔を上げたとき、その人は先ほどまでニコニコして糸目だったクセに…
青い綺麗な瞳で、私を見ていた。口が半開きで、妙な立ち方をしているアホ毛が、ニコニコ団長のアホ面を引き立てている。
鬼兵隊の幹部、来島また子ちゃんに呼び止められて、掃除道具を下ろした。
ま)「春雨の人知らないッスか??」
『春雨の人…??』
ま)「団長が逃げちゃって…。それを追いかけていった奴も帰って来ないんスよ。」
そういえば、今日は重要な来客があるって言ってたような気がする…。
『…ん??団長…??』
…何の団長かは分からなかったけど、もしかして春雨…??
あの、宇宙的に見ても、結構強い感じの春雨??
ってことは、もしかしてもしかするけど…私、ヤバいんじゃない??
ま)「知らないッスか??なら…」
『いえ、先ほどお話しました。…ただ、』
ま)「ただ…??」
『…かなーり失礼なこと言っちゃった気がするんですけど、』
ま)「…それは、…マズいッスね…。」
やっぱり、マズいんだ…。
そして、先ほど掃除していた場所に行くと、やはりその人たちは居て…。
威)「アレ?…あ、俺を惚れさせる気にでもなったの?」
笑顔のまま、彼は首をかしげる。同時にアホ毛が揺れる。
『いや、別に…』
ま)「その口のききかたは何ッスか??」
『す、すみません…。』
私はうつむく。小さな声で『申し訳ありませんでした』と神威にわびを入れた。
威)「俺がその程度で許すと思う??w」
『…本当に申し訳ありません。』
威)「じゃあ、俺のものになってヨ。」
『はァ?!?!』
その瞬間、また子ちゃんに思いっきり後頭部を殴られた。
威)「…あ、分かった。見惚れてたのか。」
『いや、何の状況がそういう風に解釈されたんですかぁぁぁ!!!Σ』
ま)「夕葉!!アホとはいえ、晋助様の大事な客人様ッス!!
これ以上失礼なこと言ったら許さないッスよ!!」
阿)「…いや、今、お前のほうが失礼なこと言ったよな。」
ま)「空耳ッスよ。」
阿)「あ、そっか。オジサン、もう歳だから…」
『(え、何??このやり取り!!私逃げていいかな?!今のうちに…)』
・