御題小説

□Chien11:「不良の彼で5題」
2ページ/6ページ







次の日、



お昼、お弁当を食べた時に昨日の出来事を話すと、やはり友達は「おせっかいだ」と言った。



九)「危険だ。むやみに関わることは避けたほうがいい。女の子だからな。」

『いや、九ちゃんも女の子だからね?』

妙)「その人、見られたのを恨んでまた来るかもしれないわよ??」

『え、そんな訳…』

ま)「不良の情報網は半端じゃ無いッス。危険ッスよ。」

楽)「護身術くらいは身につけた方がいいアル。ほら!!ホワチャァァ!!」

『え、神楽ちゃん…??』



そこに、近藤勲がやってくる。いつもの如く、「お妙さぁぁぁぁん!!」と言いながら…

そんな近藤君を、妙ちゃんは何も言わず、そして振り向きもせずに殴り、近藤君はそのまま倒れた。



妙)「そうね。こんな奴も居ることだし、護身術くらいは必要かもね。」

という、お妙ちゃんの笑顔が、はっきり言って、昨日の不良よりも怖かったなんて言えない。



楽)「これからの女は強くないと駄目アル!!」

猿)「え、でも…か弱いほうが…私は攻めより、受け派かなァ…キャッ///」←






「そーだヨ。俺も強い女の子の方が好きだし。」

『へぇ…って、えええぇぇ!!!!!』





威)「昨日はどーも。」

よっと言うように、手を軽く挙げて挨拶するこの男は、まぎれもなく昨日の人だった。



楽)「馬鹿兄貴ィィィ!!」

神楽ちゃんが、そのまま急にとび蹴りをくらわそうとするが、男は笑顔のまま軽々とよけた。



『何で、ここに?!』

また子ちゃんが、「ほら、」とつぶやいた瞬間に、


威)「ああ、神楽と一緒にプリクラ写ってたでしょ??だから、同じクラスなのかな??って。」

と笑顔で答える。


『(不良も何も関係無ェェ!!)』

それを訴えるために視線をまた子ちゃんに向ければ、彼女はすぐに顔を逸らした。





そこに、銀八先生が「もう授業5分前だぞ、テメーらぁ、」とやる気の無さげな声で教室に入ってくる。

銀)「そろそろ国語の準備をするよーに。」



私たちは急いでお弁当を片付けようとする。



男は、


威)「俺、神威。よろしく。」


と言って、私の手を握る。



威)「じゃ、またね。」



そう言って、そのまま窓から飛び出していった。




銀)「ちょっ、待て!!今、誰か飛び降り自殺しなかった?!
俺の教室でそんなことが起こったとか大問題だから!!見なかったことにしよ!!」


何とも無責任な教師である。



銀)「はい、号令して!!!!!」

先生があせって、日直の志村新八が「起立!!」と言った。




校門から出て行く彼の長ランは…風に吹かれて靡いていた。

『(喧嘩上等天上天下唯我独尊…)』





―ひるがえる制服の裾―


そして、私の手には…小さな飴玉が握られていた。



『(…お礼、って事…??)』











次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ