御題小説
□Chien11:「不良の彼で5題」
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次の日、
お昼、お弁当を食べた時に昨日の出来事を話すと、やはり友達は「おせっかいだ」と言った。
九)「危険だ。むやみに関わることは避けたほうがいい。女の子だからな。」
『いや、九ちゃんも女の子だからね?』
妙)「その人、見られたのを恨んでまた来るかもしれないわよ??」
『え、そんな訳…』
ま)「不良の情報網は半端じゃ無いッス。危険ッスよ。」
楽)「護身術くらいは身につけた方がいいアル。ほら!!ホワチャァァ!!」
『え、神楽ちゃん…??』
そこに、近藤勲がやってくる。いつもの如く、「お妙さぁぁぁぁん!!」と言いながら…
そんな近藤君を、妙ちゃんは何も言わず、そして振り向きもせずに殴り、近藤君はそのまま倒れた。
妙)「そうね。こんな奴も居ることだし、護身術くらいは必要かもね。」
という、お妙ちゃんの笑顔が、はっきり言って、昨日の不良よりも怖かったなんて言えない。
楽)「これからの女は強くないと駄目アル!!」
猿)「え、でも…か弱いほうが…私は攻めより、受け派かなァ…キャッ///」←
「そーだヨ。俺も強い女の子の方が好きだし。」
『へぇ…って、えええぇぇ!!!!!』
威)「昨日はどーも。」
よっと言うように、手を軽く挙げて挨拶するこの男は、まぎれもなく昨日の人だった。
楽)「馬鹿兄貴ィィィ!!」
神楽ちゃんが、そのまま急にとび蹴りをくらわそうとするが、男は笑顔のまま軽々とよけた。
『何で、ここに?!』
また子ちゃんが、「ほら、」とつぶやいた瞬間に、
威)「ああ、神楽と一緒にプリクラ写ってたでしょ??だから、同じクラスなのかな??って。」
と笑顔で答える。
『(不良も何も関係無ェェ!!)』
それを訴えるために視線をまた子ちゃんに向ければ、彼女はすぐに顔を逸らした。
そこに、銀八先生が「もう授業5分前だぞ、テメーらぁ、」とやる気の無さげな声で教室に入ってくる。
銀)「そろそろ国語の準備をするよーに。」
私たちは急いでお弁当を片付けようとする。
男は、
威)「俺、神威。よろしく。」
と言って、私の手を握る。
威)「じゃ、またね。」
そう言って、そのまま窓から飛び出していった。
銀)「ちょっ、待て!!今、誰か飛び降り自殺しなかった?!
俺の教室でそんなことが起こったとか大問題だから!!見なかったことにしよ!!」
何とも無責任な教師である。
銀)「はい、号令して!!!!!」
先生があせって、日直の志村新八が「起立!!」と言った。
校門から出て行く彼の長ランは…風に吹かれて靡いていた。
『(喧嘩上等天上天下唯我独尊…)』
―ひるがえる制服の裾―
そして、私の手には…小さな飴玉が握られていた。
『(…お礼、って事…??)』
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