御題小説
□たとえば僕が:「ただ大好きだというだけで」
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同じ春雨の夕葉。
『団長、地球に行ってまいります。』
威)「敬語やめろって言ってんでショ??」
彼女なのだから、部下と上司だって敬語はもうやめようという約束。
夕葉はなかなか慣れてくれない。
そっか、…とつぶやいて、夕葉は言い直す。
『神威、私、地球に行ってくるね??』
威)「何しに行くの??」
『神楽ちゃんと、…あと、銀ちゃんに会ってくる。』
君が誰かの名前をつぶやくだけで、こんなにも切なくなる。
切ない…そこから、それはそろそろ独占欲に変わるんだヨ。
知ってる??俺が、どんなに嫉妬してるのか…
本当は、相手の男、殺したくて仕方ないんだヨ。
威)「(いつかの楽しみにとっとくつもりだったのにな…。)」
威)「…そろそろ、殺すしか無いか、」
大好きで、大好きで…
ただ、大好き
たった、それだけのことなのに…こんなにも苦しい。
夕葉が地球に下りた後、俺も追って地球に降り立つ。
威)「確か、この辺り…。」
日中は太陽が照っている。
立ち止まって、夜にしよう…と思った。
万屋屋銀ちゃんと書かれた場所に入っていくと、神楽と夕葉は既に寝ていた。
おそらく、久々の再会にはしゃぎすぎたんだろうと思う。
お侍さんは、「お前…」と俺の顔を見てつぶやいた。
お侍さんに傘を向ける。
銀)「…ちょ、待てって…いや、まぁね、」
と意味の分からない言葉を並べるお侍さん。
威)「夕葉がサ、…お侍さんの名前を呼ぶんだ^^」
俺が笑顔のまま近づけば、その分だけお侍さんが後ずさり。
一定の距離のままだった。
銀)「本当待てって…俺、名前呼ばれただけだよな??
あのー…君の勝手なジェラシーのために俺は殺されるのかな??
おいおい、そんな事って無いよな。俺、これでも主人公だから。」
…殺す。
殺す殺す殺す殺す…!!!!!
視界に夕葉の幸せそうな寝顔が入る。
起きた時、このお侍さんが血まみれで倒れてたらどんな顔をするんだろう…??