平安恋歌
□壹話
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“お願い…あの子を…見つめて…”
“光…だけを…”
また…あの声が聞こえた―
光も誰か分からないまま、その声は段々と
小さくなり、しまいには消えた。
『ん…。』
ゆっくりと目を開けた。
『(さっきの…何だったんだろ…?)』
それに光って…。
私に何ができるの?
…って、土の上…?
『あ、ヤバッ…』
着物汚したら怒られると思い、起き上がる。
(ヤバイなんて言葉使ったら、怒られる…。)
『そっか…。』
私、倒れた時、下に落ちたンだ…。
きっと…。
『ん???』
ここ…。
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