平安恋歌
□參話
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愛人…、愛人…??
ちょっ、ちょっと待っ…
え、さっきのキスだけで…??
『それって…?!;;;』
「夕葉は黙ってて(コソッ」
光の君がそう言ったので、私はとりあえず黙る事にした。
「彼女は、俺の新しい愛人。しばらく、俺の側に置く事にした。ね?」
彼は、私のほうを向いて、ニコッと笑う。
私はただ頷いた。
「そうですか…。」
男の人が言う。
「俺は、葵を失ったばかりだ…。」
唐突に、光の君が呟いた。
『え…?』
あまりにも唐突な言葉に声がこぼれた。
驚いた。
失った…?
「…だからだよ。」
今度は、彼は悲しそうな微笑を見せた。
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