goodbye eden
□my little honey
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「ここんところ、あやめさんと一緒なの無かったからなぁ。久しぶりの生あやめさんに俺、テンションすげぇ上がっちゃう!」
「な、生って………」
「あ!あやめさん、今日何時上がり?」
「え?今日は…4時、だけど…?」
「おっ!やべ、今日はすげぇツイてるっ!俺も今日4時上がりなんだよー」
「へ、へぇー。そ、それよりさ、話してる場合じゃないよ?時間…」
ニコニコ笑いながら嬉しそうに喋る和樹に、少し顔を引き攣らせながらもちゃんと彼の相手をしているあやめ。
ちょっと、いやかなり、彼のテンションには正直ついていけないけど、自分に懐いてくれている後輩は可愛いものなのだ。
だけどそれよりも、今1番気にしなきゃいけないのは、『時間』だ。
もうすぐバイトの開始時間。
いつまでも、こんな風に話しちゃいられない。
「うげっ、本当だ!ご、ごめんね、あやめさんっ」
「いいよ、別に。ほら、早く着替えて、仕事仕事!」
眉を下げて、慌てる和樹にあやめはクスリと笑みを零して。
気にすることない、と言うようにポンッと1回軽く彼の背を叩いて、あやめは和樹よりも先にロッカールームの中へと入っていった。
「………やっぱ、可愛いなぁ…あやめさん」
あやめの姿が消えていったロッカールームの扉を、和樹はポーッと顔を火照らせながら見つめて、ボソリとそう呟いて、彼もまたロッカールームの中へと入っていった。