goodbye eden

□my little honey
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「ありがとうございました」






お客に商品と、お釣りを渡して笑顔で見送る。

店にいた最後の客が店から出ていって、あやめはカウンターの中でフゥッと、一つ息を吐いた。
今店の中にいるのは、あやめと和樹、店長の3人だけ。






「ふぅ」






現在の時刻は、午前10時5分過ぎ。
彼女の性分なのかなんなのか、客がいなくなるとちょっと気を抜けて、思わず欠伸が出てしまいそうになる。

だけど、今はバイト中。仕事中。しゃきりとしなきゃ、と喝をいれるように、あやめが頬を小さくパンッと叩こうとしたその時。
来客を告げるチャイムが、鳴った。

その音に、あやめはビクッと体を揺らして、出入り口の方へと視線を向けた。

向けて、






「い、いらっしゃ―――」






入ってきた客の顔を見て、あやめの目が大きく見開かれて。
そして、ピシッと、その体が固まった。






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