☆自作小説

□第@話
1ページ/2ページ

ピンポーン
と,いつものようにチャイムが鳴った。
『マリだ!!』
と思い,私は元気よく外に出た。

「おはよう。マリナ。学校行こ??」
と,いつもと同じ笑顔のマリが立っていた。
私には両親も兄弟もおらず,いつもマリが迎えに来てくれていた。
家が隣どうしだという事と,偶然名前が似ているという事もあり,私達は姉妹のように一緒に育った。
楽しい毎日だった。

だが,マリはいじめられていた。
私はその事もいじめていた人も全部知っていたが,自分がいじめられる事を恐れ,あえていじめの事を聞かず,知らない顔をしていた。
マリが一度死のうと考えていた事も知っていた。マリの手首に深い傷があったのだ。
その事も知らない顔をしていた。
マリもあえていじめの事については何も言わないようにしているらしい。

だが…ある日マリが首を吊って死んでいた。
いろいろな所から汚物が垂れていた。
「いやああああああああぁ!!
         マリぃぃぃぃぃぃ!!」
私は泣き叫んだ。
いつまでも泣き続けた。
『私がマリを守ってあげなかったから…
 私がマリを守ってあげていれば…』

涙が枯れてきた頃,
『マリをいじめたやつを殺す!!
 殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!』
ただマリをいじめた人を殺すという思考が何度も頭をよぎった。

次の日はマリの事もあり,午前中に学校が終わった。
そして私はマリをいじめたやつらを誰も来ない山の方へと呼び出した。
心臓がドクッドクッと大きく動いていた。

ザッザッザッ…
っと,音がした。

「誰だよ!!
 こんな所に呼び出したやつ!!
 バカじゃねーのー?!」
「んまあ,来たあたしらもバカだけどねえ」 
「キャハハ!!」
と,大騒ぎしながらマリをいじめたやつらが歩いて来た。
私は持っていた金属バットをギュッとにぎりしめた。
さらに心臓が大きく動くなか,私は隠れていた草むらから出てやつらの前に出た。
やつらは私を見て,
「何だよ!!
 マリの怨みを晴らしに来たってか?!」
「あははははっ!!ウケるーっ!!」
と,笑いながら,私をバカにした。
だが,私は相手の言う事など気にせず,バットを思いっきり振り降ろした。
グシャッと肉が潰れる音がした。
逃げようとしているやつらも絶対に逃がさなかった。
「ひゃはあ!!
 死ね死ね死ね死ね死ねぇ!!」
何度も何度も何度も何度も何度も何度も
相手が死んでも殴り続けた。
殴る度にグシャッ,グシャッと音がした。

殴り終えた後,やっと正気に戻った。
辺りを見渡すと目玉や脳みそ,内臓などの肉片や,血が飛び散っていた。
思わず吐いてしまった。
そして,何故か涙が止まらなかった。

やっと,落ち着いた頃,死臭を我慢しながら,死体を誰にも見えない場所に埋め,着ていた服を脱いで燃やし,持ってきていた服に着替え,何事もなかったかのように家へ帰った。
だが,しばらく震えが止まらなかった。

それから,私は一人で生きている。

 寂しく…ずっと一人で…


  −END−
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ