☆自作小説

□第A話
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私はリア,千田(ちだ)リアである。
父は事故死した。
無残な死に方だった。
私が幼い頃,私と母の目の前で,頭が潰れて死んだ。
その姿が今でも頭に焼き付いて離れない。
父がいなくなって,母と二人で暮らしていたのに,まだ幼い私をおいて母が男に体を売り,
私が寝ている間に姿をくらませた。
そして,私が死にかけていた頃,ちょうど祖母が私を見つけ,私は助かった。
それから私は祖母の家で暮らしている。
祖母の家はとても大きく,お金持ちである。
全ての面倒を祖母と,お世話係りのクロコが見てくれた。
私は体が弱く,学校には行っていない。
少し寂しかったけど,お世話係りの人達がたくさん遊んでくれるから,毎日とても楽しかった。
寂しくなんか…なかった…。

そしてある日の朝,私が起きると祖母と使用人さんが大きな声で争っている声が外から聞こえた。
使用人「お引取り下さい。
    ここはあなたの立ち入りは禁止となっております。」
祖母「そうよ!!
   “リカコさん”!!
   リアを捨てたあなたにここに来る権利なんてないのよ!!」
リカコ「お願いします!!
    あの子に会わせてください!!
    今度はちゃんと面倒見ますから!!」
リア『“リカコさん”??
   …お母さん??』
顔もうっすらとしか覚えていない私の母が私に会いに来た…??
でも正直,私が死にかけていた時,助けに来てくれなかった母になんか会いたくなかった。
怨んでいた。
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