白と黒の旋律

□白と黒の旋律 第2章 力と心
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力が欲しい。

優奈は浦原にそう言った。

傷つく一護を見て耐えられなかった。

いや。助けたいと思ったのだ。


「長谷川…。」

「長谷川サン…。」


優奈の眼は真っ直ぐな眼をしていた。


「長谷川サン。力が欲しいと思うのはわかります。

ですが、一般人のあなたが我々と同等の力を身につけるのは並大抵のことじゃ無理ッスよ?」

「わかっています…。

でも。私は…。」


そう言ってまた浦原をじっと見つめる。


「わかりました。但し、私があなたの素質を見極めます。

一定の素質があるようでしたら手取り足とりお教えしましょう。

素質がない場合はお教えすることはできません。」

「…わかりました。」


そう言って満足そうではなかったが不満そうでもなかった優奈の返事。

一護は悲しそうな目でそれを見ていた。

なぜか優奈は自分が一護を助けなければならないと感じてしまった。

それが優奈の“本能”なのか。

応急処置をしたため、一同は浦原商店へと戻る。









・・・浦原商店・・・


最初に口を開いたのは一護だった。


「なぁ浦原さん。」

「ハイ?」

「力を与えるっていってもどんな力を与える気だ?

死神の力だってそんなホイホイ譲渡できるもんじゃねーだろ?」

「ハイ。それは私にもわかりません。

彼女の中に眠る霊力がどのようなものかはわかりませんしね。

だから、“アタシが教えられるのは気構えまで”ッス。」

「なるほどなっ!」


その言葉の意味は一護が一番わかっている。

そう言った浦原に満足そうに一護は返事をした。


とりあえず今日は怪我もしているので一護は浦原商店に泊まることになった。

優奈は怪我はしていないため自宅に帰ることになる。


「じゃあ長谷川サン。明日の午前10時、ここに来てください。」

「わかりましたっ! ではまた明日〜。」

「お気をつけて〜。」


そう言って優奈は手を振って帰って行った。

そして今度は平子が口を開く。


「にしてもホンマにナンギな話やのぉ。

ワケわからんわぁ。」

「ですねぇ。」

「一護は一護でボロクソやられて使いモンにならへんしのぉ。」

「んだとコラ!平子!てめぇだってボロボロにやられてんじゃねーか!」


一護と平子が言い合いになる。

この二人は仲がいいのか悪いのかわからない。


「それはそうと一護。」

「んだよ!」


まぁあれだけ言い合いした後に冷静にはなれなかった一護。


「お前も明日からここで特訓や。」

「は?なんで俺が特訓すんだよ?」

「オマエ、今のままやとまたボロクソにやられるだけ言うのがわからへんのか。

それに一護。仮面の軍勢の能力がまさか「虚化」だけやなんて思ってるんやないやろなぁ?」

「なに!?他にもあんのか平子!

早く教えやがれ!」

「アホか。自分の体よぉ見ぃ。

特訓できる体かっ。」


平子は吐き捨てるように言った。

そりゃそうだ。虚閃の直撃弾を食らったのだから。


「ということで黒崎サン。またこの薬を1時間に1度、忘れずに飲んでくださいねっ♪」

「あぁ。」


そう言うと髑髏マークのあるビンを一護に渡す。






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