幕末乱れ咲〜もしも登場人物が携帯を使ったら〜
A桂小五郎
なんだか今日は寝つき悪いなーなんて思ってたらいつの間にか眠りについていて、とっても嫌な夢を見て目が覚めた。
そしたら今度こそ本当に眠れなくなってしまい、なんだか寂しくなってしまった。
さっきみた夢が夢だし…
さっきの夢は桂さんと一緒に歩いてるんだけど、途中で気付いたら桂さんが私よりも前にいて、待ってって叫ぶんだけど
桂さんはどんどん先に行って見えなくなってしまう。
「桂さん…」
もしかして本当にいなくなっちゃったのかな?
そんな事あるはずないと思いながらも不安になって、夜遅くに迷惑だからと気が引けたがメールを打ってみた。
うち終わって暫くしたら玄関で呼び鈴が鳴って、驚く。
こんな時間に誰だろう…
「桂さん!」
ドアを開けると桂さんが急いで来たのか、少し息を切らしながら立っていた。
「君があんなメールを送るから、心配になってしまったよ。」
桂さんは私の頭をくしゃくしゃっと撫でて微笑んでくれた。
「大丈夫。僕はどこにも行かないから。」
夢だって分かっていても、安心して涙が溢れる。
桂さんはそんな私を優しく抱き締めてずっと撫でてくれた。
「桂さん、すみません。こんな夜遅くに…」
泣き止んで顔を上げると、桂さんは私の目尻に溜まった涙を指ですくって微笑んだ。
「僕も君に会いたかったから、丁度良かったよ。」
そう言って自分の携帯の画面を見せると、未送信になっているけれど、私宛のメールがあった。
<君の夢を見たよ。なんだか凄く寂しそうだったけど…現実の君は大丈夫?>
「君が寂しそうな顔をして遠くへ行ってしまう夢をみた。」
桂さんの指が優しく頬に触れて、暖かい手で私の顔を包み込む。
「君がいて良かった。」
それは私も言いたかった事で。
あなたが来てくれたから今日はこれからぐっすり寝れそう。
「桂さん…ありがとう。」
おっと。
僕は帰った方が良いかな?
そんな寂しそうな顔しないで。
分かった。ずっと側にいるから安心して眠って。