短編
□泣いて良いんだよ
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夜も深まり、そろそろ寝ようと床の準備をしていたら、自室の戸を二回程叩く音がした
誰だろう、そんなことを考えながら戸を開くと、そこには予想外の人物が立っていた
微かに目を腫らして、綺麗な顔に数ヶ所傷をつくっていたのは、あの滝夜叉丸
『どうしたの?滝』
優しく訊ねると、滝夜叉丸はまるで幼い子供の様に私の胸に顔を埋めてきた
よしよし、と頭を撫でると滝夜叉丸は腕の力を僅かに強める
努力家なあなただから、私の前だけでは
泣いて良いんだよ
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