短編
□手伝いますよ
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いつも通り、用具倉庫で用具の確認をしていたら、俺がひそかに想いを寄せている人が入ってきた
『あ、作兵衛!』
ふわりと微笑む先輩は俺の方に近づいてきた
「ど、どうしたんですか?***先輩」
平静を装いながら尋ねる
集計表があって良かったと思ったのは今日が初めてかもしれない
『あのね、山本シナ先生に頼まれて手裏剣をとりにきたの』
そう言いながら手裏剣の入った箱を取ろうと手を伸ばしていた
そのとき、
『きゃっ!!!』「危ねぇ!!!」
先輩が足元に落ちていた棒に躓いた
慌てて集計表を投げだし先輩が倒れないように支える
自然と先輩が俺の胸に飛び込んでくる形になった
事故だとしても、すごく嬉しい
『あ、ごめん!!ありがと...///』
慌てて俺から離れようとする先輩
よくみると、微かに頬が紅くなっている
「***先輩、大丈夫ですか!?」
『う、うん...だいじょーぶ///』
そう言うと先輩は手裏剣の箱を棚から下ろし倉庫を出ようとした
...ダメだ..キッカケを...キッカケを作らねぇと....
「***先輩!!」
すぅ、と息を吸って心を落ち着かせた
手伝いますよ
貴女の気持ちが俺に向くように
。