短編
□僕に落ちて
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今日も僕は穴を掘る
あの人を落とす為に
「...と、言うわけで今日こそターコちゃんに落ちて下さい」
朝食を食べている私の目の前に来たのは、天才トラパーこと綾部喜八郎
『え、話が見えないんだけど?綾ちゃん..』
一瞬でショートした頭をまた回転させる
「だから、僕の穴に落ちて下さい」
ダメだこの子、天然どころじゃないぞ...
『つまり、私が綾ちゃんのトラップに引っかかれ、と?』
「はい、今日のところは」
...あれ?...今日のところはって...?
きっと難しい顔をしているであろう私に、飄々とした態度でこう言った
「そして、いつかは
僕に落ちて下さい
「じゃ、そーゆーことで」
そう言った綾ちゃんは、ほのかに紅くなっていた
。