銀魂 短編小説

□煙草はハタチになってから
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それから、二人はとりとめのない話をした。
そのほとんどは、銀八の一方的な話に高杉が相槌を打つ形だったが。

基本、高杉は自ら話すことが滅多にないのだ。だから、自然と銀八の口数も多くなる。


「...つか、このまま学校サボッてっと、単位足りなくて卒業出来ねーぞ?」


ふいに、銀八が言ってきた。

確かに、日頃学校に来ない高杉は、事実危ない状態だった。


「あ? それがどうした。」


しかし、とうの本人は、そんなもんどうでもいいと言わんばかりである。
そんな態度に銀八はハァと息を吐いた。


「器物破損に、他校生との喧嘩、その他にもイロイロ。普通だったら退学だからね」


「別にイイじゃねーか。今は学校に来てんだ。」


「いや、学校に来てたって、授業サボって煙草吸ってたら意味ねーから。」


ハァまったく、と呆れたように言って、銀八は頭をガシガシと掻いた。

何だかんだ言って、この男も教師なのだ。普段はだらしなくて、死んだ魚のような目をしていて、外見も中身も教師らしさなんて微塵も感じられないが、それでも、生徒の事を考えている。
今日のこの行動もきっと、そこからきているのだろう。


「チッ」


高杉は小さく舌打ちをした。

しかし、それは授業の終わりを告げる、キーンコーンカーンコーンという無機質なチャイムの音にかき消された。
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