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□死神奇談
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「私、キレイ?」
大きなマスクに
覆われた
女が
言う。
赤い服が特徴だった。
「あら、
何も言わないのね…」
スランッッ
左手には
刃が長いハサミが。
「死んで」
「やめてよ!!」
「ごめんって!!
役作りだよ〜ん」
「こらー
いじめないのー」
ここは
演劇部。
口裂け女の劇の
衣装合わせを
しているところだった。
「香って
ほんとーに
うまいよねー!!」
「うんうん♪
それに比べて
いっつも勉強勉強
って言ってる
和子なんて最悪!!」
和子とは
先ほど驚かされた方の
女子だ。
「それに
ウザいしぃー
マジ死んで
くれってカンジー」
「同感。
友達いないくせに」
これが
いつものやり取りだった。