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□KEEP OUT!
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ひらり。
ひらり。
ひらり。
桜が舞い散る、車も通らない小道に
一人で少女は立っていた。
「10時16分かぁ…まだかなぁ…?」
さっき制服から取り出したピンク色の
携帯を見る。
二神雛姫は、待ち合わせ時間に
15分も遅刻している
“彼”を待っている。
一度も関係を持ったことの無い
“彼”を。
と、言うより“彼”が雛姫のことを
“妹みたいないとこ”としか
認識しないのだ。
それでも雛姫は“彼”の
ことを好きでいる。
―――“彼”、神崎晴也のことを。