□企画小説
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少し暑くて目が覚める。
普通のサイズより少し大きめのベッドには俺を含めてあとあーくんと師匠が寝てる。
夏休みに入ったし、あーくんはうちに泊まりに来た。
いつもは師匠が真ん中で寝るけど今回は何故か俺が真ん中で寝てるんだがそうなるとあーくんが隣で寝てる訳で。
すごく近い。いい匂いする。

で。
なんと言うか、あーくん綺麗だなーと。
ホモじゃないけど普通に思っただけ。
ヘタしたらそこらの女子より綺麗じゃないかってぐらい、それは綺麗で綺麗で。

「…っ…あ…はーやん…おはよ…」

視線を送っていたのが気づかれたのかあーくんは目を覚ました。
まだ意識がはっきりしてないのかぼうっとしてて、今から二度寝すらできそうな感じ。

「…おはよ、あーくん」

そっと返事を返すとゆっくり笑った。
やっぱそこらの女子よりよっぽど可愛いよあーくんは。

枕の側に置いておいたスマホをいじり今日のニュースを見た。
1日の始まりは大体これで始まる。
あんまり面白いニュースは無かったけど事件はあったみたい。

ひょっこりあーくんがスマホの画面を覗きに来た。

「マンションからの飛び降りかぁ〜怖いね〜」

そして少しだけ身体を布団の中にすぼめる。

「しかもさーこれただの飛び降りじゃないっぽいってよ、刺し傷あったんだと」

スマホの画面をスクロールさせて事件の概要を読む。

「落ちた体と一緒にナイフも落ちてたんだってさ、これってやっぱ……」

ここまでわかったら話は早いだろうな。
あーくんもわかっただろうし。

「刺してから落としたって感じ?やーね今は。サスペンスドラマみたいなことか平気で起こるの〜」

さらに読む。

「犯人は男で目移りしまくり野郎で被害者はしつこく付きまとう女だってさ、こりゃどっちもどっちだなー、場合が違ったら立場も変わってただろうし」

俺はちょっと笑う。
今回の事件は自業自得すぎる。

「恋愛がおかしな方向に行っちゃったってわけね〜やだやだ〜」

ぼふっ、と音を立ててあーくんは寝相を変えた。

こんなことで相手を消そうとしてるんだから本当に物騒になったなあ。
まあでも、俺らにはあんまり関係ないか。

「ちょっとあんたら……あたしと言う女が居るのに関わらず無視するなんて……許さないんだから……!」

後ろから殺気が。
前言撤回。やっぱ師匠には勝てない件について。

今日も1日が始まる。

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