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□Alice in monochrome world
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「女王ッッ!!!待てッこれはッッッ!!!!!!」
後を追う。だが。
「もう夕飯の準備の時間ですよ…こんなところで道草してないで早く城に戻りなさい」
目の前には、まるで追うなと言わんばかりに、スペードのエースが立っていた。
スペードのエースは、この城で働いているトランプのまとめ役の様な位置だ。
当然、彼が言ったことには逆らえない。
「…ッッ!!!」
分かりやすいぐらいにジャックはスペードを睨む。
早く追いたいのに。早く、言いたいのに。
それができないなんて。
「…少し整理する時間をあげてください。あなたも分かっているでしょう?」
スペードの顔を見る。
眼鏡越しでも、冷たい瞳がジャックを刺していた。