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□2006/09/20 姫条
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←姫条×あなた→
『もしもし? 藤井さん?』
「は? 違うけど。俺は姫条やで」
『え・・あ、うそ・・。ごめんなさい、間違えたみたい・・・』
「いいて、いいて。俺も自分の番号知りたいと思てたからな」
携帯を切って、姫条が微笑む。
「いや〜、ほんまラッキーやわ」
※注1
確信犯です。
「う。めちゃめちゃエロい格好やん・・・最高」
「変じゃない?」
「ごっつ似合うてるで」
「嬉しい・・。じゃあこれからはこういう服装にするね」
「うんうん」
家の前でさよならをしながら、姫条が微笑む。
(俺のために服装変えんなんて・・・めっちゃトキめくわ・・・)
※注2
リサーチ済みです。
「う〜ん、眠くなっちゃった・・・」
「え」
「少し、寝てもいい?」
「え、ええよ」
ころりと姫条のそばで眠る少女。
それを見ながら姫条がこくりと息をのむ。
(これは神様がくれた据え膳っちゅーやつか・・?)
※注3
策略です。
「・・姫条、くん・・・」
「ん?寝言か」
「す・・・き・・」
「・・・・・・・」
眠りながらの告白に、姫条の身も心も炎が点火。
「・・・だめや・・・もう我慢できへん・・ッ」
獣のように少女に馬乗りになる姫条。
※注4
罠におちました。
「で、できた・・・?」
「う、ん・・・迷惑?」
「迷惑なんてあるはずないやろッ!」
「姫条くん・・」
「結婚しよ」
「うそ・・・うれしい」
涙を浮かべた少女を抱き締める姫条。
(愛してる、俺はこいつをものごっつ愛してるでーーーーッ)
※注5
ゴム。針。ぷつっと・・。
「幸せになろうね姫条くん」
「ああ。俺を選んだこと後悔させへんようにがんばるで」
「・・・ふふふふ」
「ん?なんや?」
「罠のかけがいのある人だなあって」
「ワナ? なんやのそれ」
「ひ〜み〜つっ」
「こら、待てっ」
「アハハハハハ〜」
「待てって」
「ウフフフフフ〜」
「コラぁ、マジで追いかけるでーっ」
「アハハハハハ〜」
「待ていうとるやろ〜、俺の小悪魔ちゃん〜」
「ウラララララ〜」
以下エンドレス。
ウエディングドレスとタキシード姿で海辺を走る二人。
それを灯台の上から見ている人物がいた。
薄紫色の髪。
銀縁の眼鏡。
冷徹そうな美貌。
氷室が薄い唇を開いた。
「・・・恐るべし天然マジック」
風が、とても生暖かい。
→終←
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