TOG
□実はこどもの頃から
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ぼくの兄さんはわんぱくでいつも何か問題を起こして父さんに怒られてるけど、
正義感が強くて優しくて、ぼくの自慢なんだ
今日は兄さんの一日の様子をちょっと教えようかな
「ヒューバート、見ろよ!綺麗な花だなぁ」
花壇に咲く花を見ながらにこにこ笑う兄さん
花に負けないくらい兄さんの笑顔の方が綺麗だけどなぁ
「ほら、これヒューバートに似合うぞ」
一本の花を大切そうに折るとぼくに渡してきた
「…母さんも、親父も、きっとおれのこと嫌いだろうから、だから、ヒューバートがおれの側にいてくれて寂しくないんだ」
「兄さん…」
あ、そんなシュンとした顔しないでよ
兄さんには笑顔が似合うよ
それに、父さんも母さんも本当は兄さんが大好きなんだよ、父さんなんていつも兄さんの絵を描かせて部屋に仕舞ってるんだよ、ぼくがたまにそれらのうちのほとんどを持っていくんだけどね
「兄さん、ぼくは兄さんとずっと一緒だよ」
「ありがとう、ヒューバート」
うわぁ、すごい可愛い笑顔
兄さん嬉しそう
「兄さんから貰った花、大切にするね」
後で押し花にして大事に仕舞っておこうっと
「兄さん、遊びにいこうよ」
「あぁ!どこに行こうか!」
ふわふわな笑顔で、ぼくの手を握って引っ張ってくれる兄さん
よかった、元気になってくれて
「兄さん」
「なんだヒューバート?」
あいしてる!
「おれもあいしてるぞ!」
「うん、大きくなったら結婚しようね!」
「え?ヒューバート…兄弟だと結婚できないぞ?」
「大丈夫だよ、兄弟でも結婚出来るっていう規則をぼくがつくるから!」
「そっか、じゃあ安心だな!」
おわる(つづく?)