TOG

□迷惑きわまりない!!
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「大変だヒューバート!」

慌てたように走ってくる兄さん。
そんな様子も可愛いですね、

「ヒューバート、さ、さっきから知らない人から電話がくるんだ!」


あぁ、大変なことが起きてましたね!







「兄さん、どうしたんですか」

「こたつでぬくぬくしてたら、着信が何十回もあって、」

「……(新手のストーカーですか)」

「何回電話に出ても、『青木さんですか』って…」


俺、怖くて怖くて…
と、
そんな怯える兄さんがあまりにもかわいそうで。
誰なんですか、僕の兄さんにストーカー紛いのことをするなんて。

するとまた兄さんの携帯電話から着信音が。

「うわぁ!きた!」

「貸してください」


兄さんが好きだという不思議なグループが歌う着信音を鳴らす携帯電話を取り、とりあえず電話に出てみる。


「もしもし、」

思ったより低い声が出てしまった。いや、だが兄さんのことを考えたらこうなってしまうだろう。

相手は最初に少し息を飲んで、

『あの、青木さんの電話じゃないですか?』

「……泣いても許さん!」

僕は電話を切ると、

「…ヒューバート?」


兄さんの携帯電話を両手で握り、普段開く方向とは逆に力を込めた。

「あ」

呆気なくそれはバキリと音をたてて破壊された。
というか僕自身がしたことだ。

「壊れてしまいましたね、新しく買いにいきましょうか、ついでに番号も変えないと」

「え、あ、うん」


少し安心したような表情の兄さんを見て僕もすっきりした。




ああ本当に

迷惑きわまりない!





***********



後書き

これ五割実話です。
なんべんも言ってるじゃん!青木じゃぬぇええずぇええ!って叫びたいくらい20回近くもかけてきました。
ええもう、ほんと、迷惑…

さすがに携帯電話を壊せませんが。
皆さんも気をつけてくださいね
(どう気をつけろと…)






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