FF7
□きっとそれは。
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世界に名を轟かせる神羅カンパニー。
その会社の所有する軍隊の上位ランクに位置するソルジャーに、給料日でもないのに少しうかれている奴がいた。
社内の一階ロビーと二階を繋ぐ広い階段を、スキップしながら只今脳内花畑なソルジャー、ザックスが下りていく。
周りにいる社員達は、彼がたまにこうゆう状態になることを知っているので特に気にした様子はない。
スキップしている彼に声をかける者など、神羅の英雄以外にいないのだ(たまに例外もあるが。)
「おい貴様」
「んん?何?俺忙しいんだけど!」
「スキップしながら階段を下りるな。邪魔だ。花畑は頭の中だけにしろ」
イライラしていらっしゃる英雄様、セフィロスは不機嫌な表情を隠すことなくザックスの頭を拳骨でコツリと叩いた。
(その時英雄様が装着している腕輪についているマテリアが光ったが社員は見てみぬふりをした。)
「いでぇ!何すんだよ!」
「周りを見ろ。馬鹿め」
フン、と鼻でザックスを笑った後、セフィロスはさっさと階段を下りて一階ロビーにある受付に向かって行った。
小突かれたザックスは、先ほど拳骨をくらった少しピリピリする場所を撫でるとその場に立ち止まる。
「え、なんで、うそぉ!」
途端に嬉しそうな顔をしたザックスの視線の先には綺麗な金色の髪をチョコボのようにツンツンとたてて、雪国を思い出すようなアイスブルーの瞳をもつ、一般兵に所属しているクラウドが立っていた。
「クラウド!!」
「何してんだよ!
大きい声を出すなっ」
実は親友だったりするクラウドの元に、ザックスは戦場を駆け抜ける速さで走り寄る。
その姿を見た受付にいるセフィロスは眉間に皺をよせていた(普段あまり実力を出さないザックスが仕事外でソルジャーらしかったからだろう)
「ごめん、待った?」
「ううん。さっき来たばっかり」
「そ、そっか」
どこかソワソワしているザックスはクラウドの手を握ると会社の出口に向かう。
「どうしたのザックス。
なんか変だよ?」
「え!?いや、
いたって平常だけど!?」
「そう?ならいいけど…」
不思議そうに首を傾けたクラウドを見て顔を赤くしたザックス。
「とっ、とにかく、行こうぜ!」
「どこに?」
「俺の部屋!」
「何?またゲーム?
それとも掃除?」
「そ、れは、行ってからのお楽しみだ!」
ザックスが彼にしか出来ない笑顔を見せれば、クラウドも笑みをかえした。
そんな二人を見つめていたセフィロスは一つ溜め息をついた。
「早くくっつけばいいものを」
(まぁ、明日には幸せそうな、花を撒き散らしている奴らが社内に現れるんだろうが、な。)
今後の二人がどうなるかは、
また今度に。