乾いた涙

□毒花
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色鮮やかに
存在を主張して

美しい花を咲かせた私に

あなたは優しく
触れてくれる


でも私の鋭い棘は
毒のようにあなたを蝕み

赤く染め上げる


指先から流れゆく鮮血を
掬いとることもできず

痛みに歪んだ顔で
私を見るあなたに

ただただ
言葉が通じますように、と


嫌わないで

嫌いにならないで

見て欲しかっただけなの

触れたかっただけなの

ごめんなさい



そう願った


けれども
一方通行の思いは

跡形もなく
踏み潰された


もう誰も
私に触れないように

切り捨ててくれたあなたは

きっと
優しい人なのでしょう


涙も零せず私は散った






(棘がない醜い姿だったらあなたは私を愛でてくれましたか?)








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