君の笑顔
□あの子へ
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道端で母と遊ぶ
小さな子供が
微笑みながら私を見た
ぎこちない喋り方で
「お姉ちゃん、
カエルさん泣いてる」
私の携帯につけた
カエルのキーホルダーを
指差しながら
そう言った
私には何で泣いてると
思ったのかは分からない
でも人の痛みが
判る子なんだな、と
私は思わず頭を撫でた
ばいばい、と
小さな手を懸命に
振るあの子へ
私は祈る
無垢で真っ白な頭の中に
どうか世の中の汚さが
入らないようにと
このまま、
人の痛みを判る人のままでいて欲しいと
ただ ただ
そう祈る
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