夢小説
□膝枕
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「おい、ななしいるか??」
『はい、副長。なんですかー??』
「総悟が見回りから帰ってこねえんだ。
あいつのことだからサボってその辺で寝てるに違いねぇ。わりーけど、見てきてくれ」
『えー?!なんであたしなんですかー??
退に頼めばいいじゃないですか』
「山崎は今仕事いってんだよ。
ほら、はやくいってこい。お前、一番隊隊長補佐=総悟の世話係だろ??」
『は!?いつからそんなのになったんですか!?嫌ですよ、あたし』
「いいから行け。副長命令だ」
『…はあーい……』
ったく、なんであたしがこんなこと…
都合のいいときだけ副長命令だとか言いやがってあのマヨラー…
そうぶつぶつ文句をいいながら歩いていると、公園のベンチに見慣れた栗色。
『あ、いたいた。沖田たいちょ…って、寝てる…』
珍しくあのへんてこなアイマスクをつけずに眠っていた。
そういえば沖田隊長の寝顔始めてみたかも…。
起きてるとうるさいけど、寝てると子供みたいでかわいー…
「なあに野郎の寝顔ガン見してるんでィ。襲う気ですかィ??」
『うわっ!?たっ、隊長起きてたんですか!?』
「当たり前でィ。そーんな近くで見られたら誰だって起きまさァ」
お、起きてたんだ…
恥ずかしすぎる///
『ってゆうか隊長!!やっぱりサボってたんですね!!
困りますよー、ほんともうあたしだって仕事あるのに…。
なんであたしが沖田隊長の世話係なんて…』
ぶつくさ文句を行ってため息をつけば、急に腕を引っ張られた。
『うおうっ!?』
「うわ、色気ねぇなあ…もっと可愛らしくきゃあとか鳴けないんですかィ??」
いきなり引っ張っておいて叫び声にケチつけるなんて、どんだけ性格悪いんですか。
…ってゆうか、
『隊長、何してるんですか』
「膝枕」
『そうじゃなくてっ!!その…なんでウチが隊長に膝枕しないといけないんですか!!』
「ベンチじゃ寝心地悪りぃからに決まってるだろーが」
『や…でもその…』
恥ずかしくなって口ごもる。
ひ、ひ、膝枕なんて…///
「いや、ですかィ??」
『いっ、いやじゃない…ですけど…』
「だったら黙ってなせェ。ななしは俺の世話係なんだろィ??」
『…わかりましたよ、もう…///』
さっきまでつけていなかったアイマスクをつけているのは照れ隠しだろうか。
なんて思ったら自然と顔がニヤけた。
「何ニヤけてんでィ。気持ち悪ィ」
『なっ?!気持ち悪いってなんですか!!沖田隊長ひどいですよー!!!』
あ…
『ってゆうか隊長。アイマスクしてるのに、なんであたしがニヤけてることわかったんですか??』
そう問えば、
「ななしがどんな顔してるかなんて、見なくてもわかりまさァ」
と言う返事。
『え、それって…』
“いつもあたしのこと、見ていてくれてるから…??”
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ期待してみたら、沖田隊長の顔は真っ赤になった。
真っ赤な隊長が可愛くて思わず吹き出したら、笑うなって怒られた。
「ななし」
『なんですか??沖田隊長』
“ずっと、俺の世話係でいろ”
それって…ずっと傍にいろって、受け取ってもいいんですよね??
『はいっ!!』
End.