夢小説

□伝えたくて、
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『銀ちゃーん!!宿題手伝ってー!!』

「宿題〜??んなもん答え見ててきとーにやればいいだろうが」

『いいじゃん、手伝ってよ!!銀ちゃんのケチーっ!!』

「あ、いーんだな、そんなこと言って。もうパフェおごってやんねー」

『えっ、やだ!!ごめんなさいーっ』

私と銀ちゃんはいわゆる幼馴染みってやつ。
年の差はあるけど、小さい頃から銀ちゃんはよく遊んでくれた。

意地悪なとこもあるけど、なんだかんだ言って銀ちゃんは優しい。
今だって、文句いいながらも宿題手伝ってくれてるし。

そんな銀ちゃんが大好きなんだ。

『ね、銀ちゃん。クリスマスあいてる??』

『あー、わり。先約入ってんだ」

『…彼女??』

「どうだろうな」

恋愛系の話になると銀ちゃんはいつもこうやってはぐらかす。
銀ちゃん、彼女出来たんだ…

『彼女、どんな人??』

「いるなんて言ってねぇだろ」

『いないとも言ってない』

じとっと銀ちゃんをみれば、銀ちゃんは顔をひきつらせた。

「…ま、お前もはやく作んな」

そう言ってぽんと頭に手をのせられた。

私は銀ちゃんがいいのに…

『ねえ、銀ちゃん』

『あのね、私…銀ちゃんこと、好きだよ』

「おー、ありがとさん」

銀ちゃんは子供扱いして、頭を撫でてきた。

『じゃなくて。私、銀ちゃんこと、本気で…大好きだよ』

涙が溢れてきた。
銀ちゃんは一瞬驚いた顔をしてから、困ったように笑った。

「さんきゅ。でも…ごめん、な」

叶わない恋だってわかってた。
ただ、この気持ちを伝えたかっただけなの。






end
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