夢小説
□愛して
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ぽつぽつと小雨が降っていた。
薄暗い廃墟のなかで、私はクロロと二人きりだった。
『ね、クロロ。私、クロロのこと好きだよ』
「あぁ」
クロロ。
私の好きな人。
でも、クロロにこの気持ちはとどかない。
だってクロロは私に興味がないから。
『ね、クロロ。私のこと、好き??』
「さあ、どうだと思う??」
『ちゃんと答えてよ』
「ななしはじゅうぶん魅力的だ」
そういって私の頭を撫でる。
クロロは私のこと、恋愛対象としてみてくれないんだ。
『ね、クロロ。クロロってさ、盗賊なんでしょ??欲しいものは、なんでも奪い取るんでしょ??』
「あぁ」
『だったら…私も奪ってよ』
そういうと、クロロはなにいってるんだって苦笑した。
『本気だよ??』
そういっても、クロロは相手にしてくれなかった。
『…んで。なんで私のこと、奪ってくれないの??…私なんか、いらない??』
そう聞けば、クロロは困ったようにため息をついた。
「お前はじゅうぶん魅力的だ。ただ…」
『やっぱり困るよね、こんな…。ごめんね、我侭いって』
さっきのことは忘れて?といって、へらっと笑えば、クロロに抱きしめられた。
『え?』
「ったく、お前は…。人の話は最後まで聞け。
俺は幻影旅団の団長だぞ??殺しだってなんだってするし、団員も危険なやつらばっかだ。それでも、お前はついてくるか??」
まぁほんとはそんな危険なところに連れて行きたくないんだがな。といって抱きしめる手にさらに力を入れた。
『それでも…かまわない。クロロが、好き』
ぎゅっと抱きしめ返せば、にやっと不敵な笑みが帰ってきた。
「俺は独占欲強いぞ??もう逃がさないから、覚悟しとけ」
だた、あなたの愛が欲しかっただけなの。
end