夢小説
□雨の日は君の傘になろう
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『…うわ』
仕事を終えて、外へ出るとどしゃ降りだった。
朝は晴れていたし、そう遠くない場所だったから今日は車で来ていない。
最悪だ…
このままここにいてもしょうがない、とななしは嘆息してから携帯電話を取り出した。
『げっ』
先ほど暴れたせいか、携帯電話は見事に壊れていた。
なんでこういうときに限って…
しかたなく歩いて帰ろうと一歩踏み出せば、予想以上に強い雨と風。
『つめたっ!』
うわ、服もびしょびしょ…
もー…この服気に入ってたのに…
そうひとりでぶつくさいっていると、クラクションの音。
びっくりして振り向けば、車の中に見慣れた顔。
『フィン??』
「おめーなんでわざわざ濡れる場所にいんだよ」
呆れながらフィンが車を寄せてくれたので、助手席に乗ると、ぱさっと頭の上に乱暴にタオルをかけられた。
ありがと、と一言お礼をいってからガシガシと頭をふく。
「馬鹿かおめーは。携帯でシャルとかにでも連絡して向かえ呼べばよかったろ??」
『それが…』
かばんの中から壊れた携帯電話をだしてあははと笑うとフィンが顔をひきつらせてた。