夢小説
□近くて、遠い
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『久しぶり、シャル』
「うん、久しぶり。待った??」
『ううん、大丈夫』
「じゃあいこうか」
シャルとは、3ヶ月ほど前に知り合った。
私が絡まれてるときに、たまたま通って助けてくれたの。
それからお礼にって食事してたら、すごい意気投合しちゃって。
今でも2週間に1度くらい会ってる。
「それでさ、そのとき…」
シャルと話してると面白い。
それに、私はシャルのこと、好きなんだ。
だけど、私たちはお互いのこと、何も知らない。
知ってるのは、名前と…ここがお気に入りのバーってことと、ビールよりカクテルの方がが好きだってこと。
だって私たちはそんな深い関係じゃないから。
お互い何も聞かないし、何も言わない。
それでもいいと思ってた。
でもやっぱり、知りたくなる。
シャルがどんな人といて、どんな人と笑ってるのか、私は何一つ知らないんだ。
『ねぇ、シャルの仲間って、どんな人たちなの??』
「う〜ん…。一言で言えばみんな変わってるかな。でも、みんないい奴だよ」
そういって笑ったシャルの顔は、私の知らない笑顔だった。
楽しい時間はあっという間に過ぎて、そろそろ別れる時間。
『じゃあね、シャル』
「うん、またね、ななし」
あなたは近くて、遠い人。
(今はまだ、この関係を壊したくないの)