夢小説

□雨のち晴れ
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『ふられた』

そういっていつもこいつは万事屋にやってくる。

「…で?俺に慰めてほしいわけ?」

『別にそんなんじゃないもん』

「ふーん」

初めて会ったときも、こいつはふられた後だった。
たまたま1人酒でも、と立ち寄った居酒屋でヤケ酒してたこいつにうっかり声かけちまったんだ。

「どーした、ねぇちゃん。浮かない顔しちゃって」

『…ほっといてよ』

「かわいいお顔が台無しよ?」

『…ほっといてってば!あなた誰よ!』

「俺、万事屋やってんだ」

『よろずや…?』

「そ。簡単に言うと何でも屋。愚痴でもあんでも聞いてやるよ。お代は…ここの酒で」


それからあいつはふられる度に万事屋へやってくるようになった。



『ねえ、銀ちゃん』

「あぁ?」

『あのね、別に慰めてほしいとか、寂しいとか、そういうんじゃなくて…その、今日1日、一緒にいて?』

ったく、かわいいこと言いやがって。
俺の気も知らずに。
好きにすれば?って言ったらぱあっとななしの顔が明るくなった。
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