*その他*(倉庫だよ)

□やっぱり胸だよ胸
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「やっぱり胸だよ胸」
「はぁ?ついに頭湧いたんですね、あぁ、前からですね」
「やだ酷い」

相変わらず笑顔を絶やさない白澤は鬼灯を見ずに告げる。心底嫌そうな顔をして鬼灯は白澤を睨んだ。胸を揉むような仕草をしながらおっきいおっぱいが何だのちっちゃいおっぱいが何だのと語り出す。

「いやーそれにしても綺麗なおっぱいっていい」
「気持ち悪い……さっさと薬用意してください」
「………」

鬼灯を眺め、少し考えたようにしたあと白澤はムカつくような笑顔で言う。

「鬼灯はいいおっぱいしてるな……」
「はぁ?」
「いや、おっぱい揉ませ……」
「ふんっ!」

鬼灯は、持ってきた金棒を振り上げて白澤をぶん殴る。ガンっと音がしたあと、白澤は飛んだ。もとい吹っ飛ばされた。

「うっ……」
「反省しなさい、と言っても貴方には無理でしたね」
「ぼ、僕は諦めないけど……」
「……ふん」

鯱のような形になった白澤は体制を整えてから鬼灯に向き合った。殴られたせいかなんなのか考えたくもない鼻血が出ていた。早く拭け。

「いいじゃあないか!減るものじゃあないし!?」
「だとしても貴方には嫌ですね」

鬼灯は薬も貰ったしもう帰ろうとしたが、後ろからぐいっと白澤に抱きつかれた。振り払いたくても力が強くて解けそうになく体格差もあってか鬼灯は白澤に包み込まれる体制になった。

「離してください……」
「やだ」
「離して下さいってばバカ神獣」

グイグイと鬼灯の腰に手を回し、その手はだんだんと上へ上がってくる。気づいた鬼灯は表情を変えないままその手を阻止する。

「名前で呼んでよ、呼び捨て。それとも名前を知らないの?」
「っ……死んじゃえ」

白澤はニコニコと効果音がつきそうなぐらい胸糞悪い笑顔だ。……ぶっちゃけてしまえば鬼灯自身は名前を呼ぶぐらいどうってことないのだが今呼ばないのには理由があった。それは、

(白澤さん、あったかい……)

普段は冷酷で残忍な鬼神は暖かなその体温をもっと感じていたかった。自分とは違う安らぎの、温かさ。

「ほら、言ったら開放するからついでにおっぱい揉ませて!」
「死ね」
「一回でいいからァ!」
「いやです……言いません」

そして、鬼灯は少し赤くなりながら、言う。

「だから、ちょっとの間このまま抱きしめていてください」
「……あぁ、お前がお望みなら何年でも何千年でも抱きしめていてあげるよ」
「いや、そんなにはいりません」


素直じゃあないなぁ!鬼の子は!



.*・゚ .゚・*.
白鬼!白鬼!

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