血の運命の部屋

□シャボンのお話
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ヴェネチアの町を歩いていたら入浴剤の店があった。まぁ暇だったしなんとなく俺は店に入っていった。

「いらっしゃいませ」

と店員は丁寧に挨拶をした。ここはいろんな入浴剤の種類が並んでいて、あいつを連れてきたら喜びそうだよなぁとか考えながら店内を歩く。
あいつは風呂が好きだ。入る前に『今日は何にしようかなぁ〜?』と鼻歌を歌いながら入浴剤を選んでいたりする。選んでいるあいつはなかなか可愛い!…元からだが。
入浴剤独特の甘い香りがする店内を歩いているとふと、一つの入浴剤が目に入った。それはライムの香りであいつに似合いそうだなぁ…と思ったし、俺もその爽やかな香りが好きだ。思い立ったら吉日。俺はその入浴剤を手に取ってレジに持っていった。すると店員はニコリと微笑んで、可愛らしい包み紙に包んで赤のリボンを着けてくれた。

「Grazie.」
「Di niente.」

と挨拶を交わし、早速あいつ…いとしのジョセフの元へと急いだ。

「あーっ!お帰りっシーザーちゃん!どこいってたの?」

城に帰るとジョセフが一番に迎えてくれた。ジョセフは、ぱぁっと顔が明るくなりこちらに走りよってきた。すると俺の手のなかの小さな箱に気付いたらしい。

「なに買ってきたのー?」
「あぁ、これか?」

俺は箱をジョセフの前に差し出して、

「やるよ。お前のために買ってきた」
「えっ!嬉しいっ!ありがと!何かなっ…」

目をキラキラ輝かせて箱を開けたジョセフはまた『ありがとー!』と言って俺に抱きついてきた。スージーQが『夕食出来たわよ』と声をかけるまでジョセフは俺から離れなかった。
……夜。俺が自室で本を読んでいるとコンコンとノックする音がした。音の正体はジョセフで丁度風呂から上がったらしい。肩にタオルをかけている。

「どうしたんだ?」
「えっと、さっき買ってきてくれた入浴剤使ってみたの…どうかな?」

ジョセフは俺の方に歩み寄ってきて、抱き着いた。ふわっと漂ったライムの香りがとても落ち着く。うん、やっぱジョセフにはあってるな。

「あぁ、ぴったりだ。お前にぴったりだぜ」
「ホント!?」

ジョセフの俺を抱き締める力が少し強くなった。相当嬉しかったんだなと思うとこっちも嬉しくなる。…ここだけの話…胸が当たっている。そんなのはお構いなしにジョセフはぎゅうぎゅうと抱きついてくる。

「ねぇ?なにかお礼がしたいな」
「礼なんて入らねぇよ。俺が勝手に買ってきたんだし」
「いやっ私がしたいの!なにがいい?」

可愛らしく上目遣いで首を傾げるジョセフ。まるで可愛い子犬みたいだ。そんなに言うのなら…

「ならお礼にお前を貰おうか。愛しのシニョリーナ?」

なんて言って有無を言わさず俺はジョセフの唇を奪ってやった。


あとがき。
砂吐きたい。もっと精進して良い文が書けたらと思っています(;^_^A書いてるこっちが恥ずかしい!
因みに
「Grazie.」ありがとう
「Di niente.」いいんですよ
です。一応。

次こそは…非女体をっ…

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