血の運命の部屋

□お買い物デート
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イタリアのミラノ。カップルが歩いていたり女性が友達と遊びに来たりと人々が行き交う町。観光の名所でもある。さすが観光客も多く、地元の女性たちが歩いていたり、スーツ姿の男性が小走りしていたりと大変賑やかだ。
そんな中、女性がチラチラと目をやるほどに綺麗な男が一人、噴水の前でスマホをいじっていた。一つ一つの仕草が綺麗で、思わず見とれてしまう程。まるで体からキンキラオーラが出ているのではないかというほどだ。
そんな彼、一体誰を待っているのか。今まで何回も女性から声を掛けられても「待ち人がいるから」と断っていた。するとそこにプラチナブロンドの髪をしたこれまた美少年がやってきた。

「プロシュート、待ちましたか?」
「ジョルノ。いや、待ってないから大丈夫だ」
「そうですか、じゃあ行きましょうか」

ジョルノ、と呼ばれた少年がプロシュートの手を握る。プロシュートはいきなり握られ驚いたが、ふっと笑うと手を握り返した。いつものボスらしい姿とは違う年相応のはしゃぎようにやっぱりまだ十五歳だな。と思いながら。

「なんか今、失礼なこと考えませんでした?」
「いや?別に?」

こんな風に二人して出掛けるのはジョルノにとって、珍しいことだった。普段は三人以上で行動し、誰かと二人きりになってもすぐ誰か来るのだ。それはだれも彼を放っておけないからだ。“放っておけないだ”と少し違う“放っておかない”のだ。
パッショーネは、皆、この幼いボスに釘付けなのだ。十五歳とは思えないカリスマ性、すらりと整った顔、クールだが部下思いで(たまに度が過ぎる)茶目っ気がある。そんな彼をハラハラと見守っているジョルノに甘い護衛チーム。好きあらばジョルノを触りにくる暗殺部隊(ストッパーもいるが)。喧嘩をすると屋敷が半壊するが理由は大体がジョルノの事だったり、ちゃちなものだったりする直属チーム。皆、ジョルノを慕っているのだ。そんな彼らが彼を一人にする訳がない。
だから二人きりで買い物やら遊びに行くのがジョルノにとって、楽しみで仕方なかった。
ではなぜプロシュートなのか。それは、彼がジョルノの恋人だからという理由である。今まで必ず誰かが邪魔をしていたが、めでたく付き合うことになったのだ。両方とも仕事等が忙しくなかなかスケジュールが合わなかったが、今日はちょうど合ったため、二人で出掛けようということに。

そんなこんなでデートしている二人。二人共美麗のため男女問わず振り向き目を奪われる。

「プロシュート、どこ行きましょうか」
「まぁ、そう慌てるな。時間はまだあるから」
「そうですけど…」

デート、と言っても特になにもない。ただ、ミラノの綺麗な町並みを眺めながら、歩いているだけだ。たまに見かけるショップのショーウィンドーを眺めたり、逆ナンされたり(勿論断った。)…
それでも二人でいれる事が良かったため、二人とも別に気にさわらなかった。

「そう言えば、買い物を頼まれていたんです」
「じゃあそれ、買いにいくか」
「はい。行きましょう」

因みに手はしっかりと恋人繋ぎである。
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