血の運命の部屋

□窓の外、光を見れば
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ふと、暗い世界から一筋の光が見える。ジョルノはいつの間にか寝ていたらしく、目の前には散乱した書類が机を埋めていた。

「あ、もう夜か……」

光の正体は真っ白に輝いた月。それは明かりがついていないこの部屋をも照らすほど明るかった。人工的な明るさではなく、自然の……癒されるような星と月。今の時代、常に人工的な光で照らされているため、少し暗く感じる明るさ。本来ならばこれが普通なのではなかろうか?うっすらと輝く星と月を眺めていると、コンコンとドアをノックする音がした。

「どうぞ、フーゴ」
「失礼します、さすがジョルノですね……ノックするだけで分かっちゃうなんて」
「あぁ、なんだか慣れたからね」

フーゴはキビキビとジョルノの方へ歩いてくる。ジョルノの隣りに来ると同じように窓の外を眺めた。

「なにか見えますか」
「星と、月と、明るい町並みかな」
「綺麗ですね」

たわいもない会話を繰り返す。そしてふとやってくる無言の間。何も喋らないまま、ただただ寒空に出ている星と月を見上げる。窓際だからか少し寒く感じる。外に出ている星はジョルノとフーゴを優しく見守っていた。
先に口を開いたのはフーゴの方だった。

「月が綺麗ですね……」
「……そうだね」

少し空いてジョルノはそう返事する。ジャッポーネで小説家が翻訳した言葉……。勤勉なフーゴだ。それぐらいは知っているだろう。ならば奥手の彼ならいいかねない。それにはどんな言葉が良いだろう。頭の良い彼だけが分かってくれるような、そんな……

「月を照らしてください」
「……え?」
「月を、もっと。僕をもっと」

愛してください。そう続けてジョルノはまた月を眺めた。
フーゴは少しぽかんとしていたがはっと我に帰り顔を赤らめた。

「もちろんです。百年たっても、千年たっても明るく照らしてあげます」
「それは嬉しいな。期待してるよ」

月はただただ明るく空に浮かんでいた。
---------─臆病者な太陽の気持ちは、いつまでも月を照らしている─

後書き
有名ですよね夏目漱石。
返答は私、空ノ木風が考えに考えて脳みそを絞って考えました。
ちょっと解説--……
「月が綺麗ですね」→あなたを愛しています
ここでは私は月をあなたに見立てて見ました。月は私の中でいつでも輝いているものと言う思いがありまして「あなたはいつまでも変わらず美しい」というのが直訳。それが少し変化してあなたを愛しています。になりました。
それに対しての返答がこちら。
「月を照らしてください」→ずっと愛して
これも月をあなたに例えました。が、ここで言うあなたは自分の事。つまり月が綺麗ですねを言われたジョルノ君のことです。はい。
で、照らしてくださいは月は綺麗だけど自分ひとりじゃあ輝けない、だからあなたに支えて欲しい……そんな意味です。つまり直訳すると「私一人じゃあ輝けない、あなたという太陽があるから美しいの」と言う意味にしました。

……どうでしょう。長々とゴメンなさい。こんなフージョルが好きです。はい。

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