血の運命の部屋

□それこそ待ち望んでいたもの
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あの日お前は死んだ。
でも生きていた。
眠りについた俺の中で。

それこそ待ち望んでいたもの

初めてあった日から全ては崩れていた。しかし、崩れた中で一つだけ気高く咲き誇るような物があった。
人間賛歌……それはジョナサンを彷彿とさせた。初めは目障りで仕方がなかった。しかし俺はいつの間にかその気高い彼に恋をしていたのだ。
あの日につけた石仮面。それによって本格的に歯車は狂い始めた。お前は俺を殺すために波紋を習得し、やってきた。感動の再会とは程遠い再会。
沈没し始めた豪華客船。結婚式だったな。恨みを晴らすため乗り込んだが……それと同時になんだかわからない気持ちがふつふつと湧いてきたのだった。
ついに決着の時。お前はエリナを庇って全てを庇って死んでいった。
最後に言葉を残して

「百年目に咲く……百合の花みたいだね」
「おい!どう言う意味なんだ」

答えを言わず死んでいった。俺とお前は柩の中に入れられ……海のそこで百年眠った。

「そう。百年」

あの言葉の意味が知りたい。そう思った俺は書籍をあさった。それはある小説家の本の一節らしい。意味は……

「百年待っていてくれ」

ちょうど百年待った。一体どういう事なのか。あいつが……言いたかっただけなのか。……それはないなあいつはそんなやつじゃあない。

ふと夜の散歩がしたくなった。庭に出てみた。するとそこには明るく月の光を浴びて輝く百合の花があった。

「百合の花……」

その小説はこうだ。死ぬ間際の女に百年待っていてくれと頼まれた男は百年待ち続けた。しかし、女は迎えにこず、裏切られたと思った男の前に、一輪の百合の花が咲いたという……。

「そうか……お前は」

百年目にきたお前は随分と日弱くなったものだ……。待ちくたびれたぞ。

「ふん、こんな小さな存在、すぐにひねり潰せてしまうぞ……だが」

そう、約束は守られた。

「待っていたかいがあったぞ、JOJO」

そう、JOJOの迎こそが待ち望んでいたものだったのだ。


後書き
言い回し好き……ステキ……重みがあって日本人の恥じらい?があるから。

さて、時間軸的にジョナサンが生きていた時代に、夏目漱石はいません。が、御愛嬌←
DIOが生きていた時代さえいなかったはず←時間軸あやふや
そして、そこはカイロだ。イギリスだ。日本じゃあない。気づけ

しかしやりたかった。どうしてもやりたかったうわぁぁ……またやりたい

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