小説

□森田と岡崎32 stay home
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「あっ、ん」

握られただけで声が出て、腰がびくびくとはねた。森田さんがもう片方の手で俺の腰を支えてくれて、俺は両手で森田さんのを包むように握りこんだ。
森田さんの息がかすかに詰まって、それだけでこっちが声を上げてしまう。

「んんっ」

自分の唾液を森田さんのに垂らす。ビクビクと脈が伝わるそれをゆっくり上下に扱いて、そうすると少しずつ、森田さんの先端からも先走りが溢れてくる。
ちなみに俺の方は濡らされなくてももうあふれまくって大変。

「う、ん……はぁ」

準備をしてないから今日は無理なのに、中にほしいって気持ちが腹の奥の方で少しずつ渦をまいてくる。
でも、森田さんの手つきがまるごと森田さんなので、俺のちんぽは森田さんに包まれてガチガチになって、だから中に欲しい気持ちを上回るようにして、もっと激しく扱いてイかせていっぱい射精させてほしいって気持ちが止まらなくなってくる。

「んんっ、森田さん、もっと、して……っあ」

森田さんは俺のこめかみにキスしながら、扱く手を速める。興奮した俺の手も、森田さんのを責めるように動いていく。
そしてやっぱりいつも、先にイっちゃうのは俺だ。

「あっ、……森田さんっ、イきそ、っ、んんっ、あっ、あ、はぁっ、んッんっ」

森田さんの手の動きに合わせて腰が動いてしまって、自分の手は完全に止まってしまう。だめだ、めちゃくちゃ気持ちいい。

「あっ、イく、イくから、っ、見てて、精液飛ぶの、見て、森田さんっあ、っあ、イく、出る……!」

ぴゅ、とぷ、と自分のちんぽから精液が飛ぶのが見える。それが森田さんの手にかかるのも見える。

「あっ、あっ……はぁっ、あ、……」

気持ちよくて何も考えられずに、体を痙攣させながら、ただ森田さんの手に握られた自分のを見ていた。
全部出し切って、意識が森田さんのものに戻ってくる。すごくかたくて先走りも出てる。やらしい。

森田さんの表情をうかがうと、切なそうな顔でまだ俺のちんぽを見ていた。
こんな、こんな澄んだ目で、今見てたのが俺の射精シーンだったなんて。なんてやらしいんだ。

「手で扱くのと、お口でフェラと、太ももで挟むのと、あとなんか違うの、どれがいい?」

好きなのでイかせたげる、と言って見上げると、森田さんはあからさまに生唾を飲んだ。かわいい。

「……えっ……あの……え……」
「どれでもいいよ。なんでも」

首を傾げてさらに見つめると、森田さんはせわしなく視線を動かした。目も合わせてくれなかった昔の森田さんみたいで胸が甘く痛んだ。

「え……じゃあ……あの……」

そっと抱き締められて、それからキッチンのへりに手をつかされて、後ろからまた抱き込まれる。
その全てがゆっくり怖々という感じだった。

「……こう、で……」

森田さんは自分のを俺の股間に挟むように突き入れてきた。

「ん、いいよ、好きにして……」

好きにしていいって言ってるのは俺なのに、森田さんは謝るように俺の首筋や耳やうなじに優しいキスを降らせる。
なのに太ももで挟んだそれは質量を増している。挿れられたわけでもないのに俺の奥がきゅうっと締まった。

「岡崎さん……」

呼ぶと同時に、森田さんはゆっくり腰を振り始める。

森田さんに後ろからしてもらうの、すごく好きだ。普段は遠慮ばかりしている彼が、今、多分自分の気持ちいいように動いてるんだと思うと、興奮で失神しそうになる。

「あっ、あっ、ん、あっ」

少しずつ強くなる律動に、勝手に声が出て、胸が反り、ケツを突き出すような格好になる。抱き締めてくる手が部屋着の中の腹を探って、それから指が乳首に到達した。

「んんっ! あ、ダメ、森田さんっ」

何がダメなのか自分でも全くわからない。ただ、射精したばかりのちんぽがもう勃起して、揺さぶられるたび自分の下腹にびたびたと当たっているのはわかる。

森田さんを挟んでる太ももにも力が入って、森田さんが堪えるみたいに小さく低く喘いで、俺はひときわ大きく声を上げてしまった。

「ああっ! 森田さん、やば」
「……う、……もう、出そう……」
「出してっ、森田さん、出して、いっぱい出して」

追い詰めるように森田さんの腰の動きが激しくなって、それでも俺の乳首を優しくくりくりする手は絶対に乱暴にならない。

好き。好き。森田さん、大好き。気持ちが口からこぼれる。

「っあ……! ん……!」

ガツン、と下半身に衝撃があり、限界まで深く入れられたせいで、森田さんの精液は全部キッチン台に飛んだ。
何度かゆっくり腰を動かしてから、森田さんのが抜けていく。

触れられてもいないのに、素股と優しい乳首責めだけで俺ももう一度射精していて、さすがに自分でも引いた。

手近にあったキッチンペーパーで軽くお互いの体を拭いて、部屋着を直すと、森田さんは「あとは俺がやっとくので」と言って、俺をソファに座らせた。
二回出したせいで若干ふわふわしている。

キッチン台の後始末のあと、すすぎ残した皿を片付けていく森田さんの背中を眺めながら、ゆっくりゆっくり、俺は安眠してしまった。

朝になるとちゃんと布団の中で、森田さんの隣に寝ていた。
運んでもらったことはぼんやり覚えていて、その時、やわらかな何かが額や頬に触れた気がしたけど、夢だったのかもしれない。

今日も、できること、がんばる。森田さんの寝顔を見ながらそう思う。
すっきりと目を開けて、俺は明るい窓の外へ気持ちを向けた。





-end-
2020.7.5


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