小説

□1 彰人の憂鬱
1ページ/2ページ


惚れた弱みってこのことか。

「ねぇあっくん、ね、しよ?」
「ばかなの?ここでできると思うか?」
「えー」
「とっても残念だけどな…昼間の地下鉄だからな!もうすでに乗客の皆さんの視線を集めてしまってるけどどうすんだ!」
「じゃあちゅーだけ、ね?ちゅーならいい?」
「無理」
「…」
「そんなかわいい顔してもダメだ」
「…」
「…ダメだからな」
「…」
「…」
「……あっくん……」
「くそお!次の駅で降りるから待て!その顔をやめろ!」
「あっくん優しい!大好き!ちゅーしたい!」

こいつには日本語が通じない。



俺は広樹に引きずられるようにして駅のトイレに入った。
広樹は手洗い場でくるりと振り返ると得意の上目遣いを炸裂させた。

「あっくん、もうだめ、ちゅーして。っん」

俺はこの目に弱くて。

「ん、んっふ、あ、んん」
「はい。終わり」
「やだ」
「行くぞ、大学遅れる」
「あっくん」
「広樹お前まじいい加減に」
「勃った」

「知るか!」
「あっくんのやらしいキスのせいなのに!」
「死ね!」
「やだぁ」

この目に弱くて。

「あっくん」

この目に

「しよ?」

弱くて。



個室なう。

「ん…んふ、あん、もっとぉ」
「お前本当乳首好きだな」

立ったまま向かい合って、俺は屈んで広樹の乳首を吸う。

「ん、んんっ、好き、きもちぃ、あんっ」

広樹は自分でTシャツの裾を捲り上げ、目を閉じて声をあげている。

「エロい顔してんなよ」
「だってぇ、んんっ、やぁん、もう下も脱ぎたい」
「脱げば?」
「あっくんがしてぇ?」

細身のデニムをずり下げて下着の中からぺニスを出してやる。
フェラしてやろうと思ってしゃがみこむと、広樹は自分のぺニスを両手で隠した。

「あぁっ、待って、あっくんもしよ」
「嫌だよ、お前の出さしてやるから」
「やだやだ、一緒にしたい…あっくんの欲しいぃ」

言いながら自分の口で濡らした指を後ろに回す。

「っ、だめだって、まじ今日講義が」
「んっ、だって、ぁ、欲しいよぉ!うぅ、あっくん…」

「勘弁しろよ…」
「おねがっ、も、2本入っちゃったからぁ…あ…んん…」

もおおお!!

抱きしめて濡らした指を広樹の指に添わせて突っ込む。

「あああ!や、あぁっ」
「とろとろだなー」
「あ、もう、あっくんの挿れてぇ」
「まだ無理だろ」
「やだもうっほしいのぉあっくんもう入るからぁっ、あん、ねぇお願い、あぁ」
「後ろ向け」
「ん、…ぁ…あ、あぁん!入ったぁ」
「っは、せま」
「動いて、あっくんいっぱい突いて、あ、あん、ああ!」
「声抑えろよバカ」
「ああ!むりぃ!きもちぃから、ああん!んぐ」

後ろから広樹の口を手で塞ぐ。

「我慢しろ」
「ん、んふ、んんふぐっ!」
「はは、サザエさんか」

俺は腰を激しく動かす。

「れる、もぅ、う゛、んん!」
「俺も」
「ん゛!ん゛ーっ!」
「っう」

びくびくとイってる広樹のケツに俺も精液を吐き出した。

「…はぁ、ん、あっくん」
「何」
「気持ちよかった?」
「…」
「…あっくん、俺の中、良くなかったの?」

「良かったです」
「びっくりした、嫌われたかと思った!」

嬉しそうな広樹のケツとペニスを拭いてやる。

「あっくん大好き」
「そうかよ」
「ねぇあっくんは?俺のこと好き?」
「そうだな」
「ひどい!言い方が適当極まりないね!ぞんざいってこのことか!」
「うっさい!悪かったな!」
「ねぇ…」
「…………広樹」
「ん?」
「好きだよ」
「アアアアアア!あっくんイケメン過ぎて死ねる!」
「死ね」
「やだ!あっくんと生きる!」

神様今日も、かわいい恋人がうざいです。



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ