小説

□8 彰人の焦燥
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「っ、広樹」
「なぁに、あっくん」
「なぁ…抱き締めていい?」

キタコレ

「ん、いいよ」
「広樹…どこにも行くなよ」

なにこれまじやばい。

「行かないよ、何言って──」
「お前は俺だけ見てろよ」

やばい、勃っちった。

耳元でそれはやばいでしょう!俺あっくんの声大好きなんだから!

「お待たせしましたチゲな」

久しぶりに正浩が来てまた固まった。

「べ…です…」
「もう!なんなんだよ正浩!なんで怒ってるの?」
「怒ってない」
「嘘!なんか怖いもん!」
「ごゆっくりどうぞ!」

正浩は怖い顔であっくんの顔を見て出て行った。ピシャッと個室の引き戸が閉まる。

「なんなのあいつ。もう知らない!」
「あいつ…」
「え?うわ!あっくん!」
「広樹」
「やぁん…」

あっくんに押し倒されたイエエエス!!!!

「んっ、あ…んん…」

あ、ちょっともう…あっくんたら激しいんだから、んふふ

「お前、本当にあいつと何もねぇだろうな?」
「んっあん!やだぁ…いきなりそんなとこ触っちゃ、んっ」
「どうなんだよ」
「ないっないよぉ、俺あっくんだけなんだからぁっ」
「くそ」
「あっくん、どしたのっあふっいや、や!やだってばぁ!」
「俺の知らない広樹のこと、あいつは知ってんだろ」
「待ってぇ!まだだめ、入んないよぉ、あっく、はぁっ、」
「広樹…」

あっくんがペニスの先っちょを俺のアナの入口に押し当てたまま、俺の胸におでこを押し当てた。

「あっくん?」
「…ごめん広樹」
「待って!やだ!やめないで…」
「いや、こんなのだめだ。無理矢理みたいなの」
「やだよ!あっくん抱いて、ねぇお願い。俺あっくんにしか抱かれたくないんだから!他の人なんか目にも入ってないから!ちゃんと抱いて確かめてよ!」
「でも」

「あっくんだけのものにしてよぉ…ここに、っん、入れて、中出ししてぇ、」
「…わかった。でも」
「でも…?」
「ちゃんと慣らしてから」

くっそおおお!優しさ!優しさ万歳!



 *



そんなわけで、今ね、今の体位はね、掘り炬燵にあっくんが普通に座って、その膝に俺があっくんに背中向けて膝折って跨がって、下からガンガン攻められてる、ていう感じ。

「あっ、あぅ、ん!ぁん!あ、いいっ!あっくんっ、いいよぉ!」
「そんなに、俺が、いいかよ」
「いい、あっくんがいいの!」
「ほんとか?誰でも、さっきのあいつでも、いいんじゃねぇの」
「あっくんしかっあんっ嫌だもん!あっくんが好きぃ、やっあっはぁん!」
「…もっと、言え」
「え?」
「もっと言えよ。俺のこと好きって。俺じゃなきゃだめだって言え」

後ろから首筋を思いっきり吸われた。突き上げも荒くなる。

「あっく、あ゛ぁっ!激し、あっんっん!」
「おら言えよ」

「あっくんっ大好き、大好きだよ」
「広樹、こっち向いて」

あっくんと向かい合ってキスをする。

「…好き、大好き。あっくんじゃなきゃ嫌だ。俺、今幸せすぎるもん」
「もっとキスして」
「んっんぅ…」
「広樹ん中にマーキングしていい?」
「なにそれぇえっち!ケダモノ!あっくん最高!」

えっとね今の体位はね、向かい合ってあっくんが俺の腰支えながら突き上げてそれに合わせて俺も腰振る。ていう図。

「あっあっあんっあっあっ」
「俺のどこが好き」
「優、しい、とこ、あん」
「あとは」
「んっ、いじわる、するとこ」
「あと」
「いっぱい、甘やかして、くれるとこ」
「それから」
「言葉遣い悪い、とこもっ、勉強、まじめに、するとこも、声も、話し方もっんっあ!きもちい!そこもっと!そこぉっ!」
「まだある?」
「顔」
「はは」
「体」
「ふ」
「全部、ぜんぶっ、あっくんの全部、好き、んっ、」
「広樹に出会えてよかった」



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