小説

□9 なつめの看護
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はー。ヤりてぇ。
春ってあれだ。盛る。広樹じゃないけど。

「おいなつめ」
「なに」
「なつめ、見ろ。超見ろ」
「なにそれ。…わあ!」
「ネットで買った」
「すごいね!かわいいねー!」

俺が袋から取り出したのは、薄いピンク色のナース服。
うちで並んで何をするでもなくぬぼーっとしていたなつめが擦り寄ってきた。

「どうしたの?コスプレするの?」

なつめが目を輝かせる。キモい。
ちなみにコスプレをしたいと言い出したのはなつめだ。酔ってたから覚えてねえんだな。

「しかもピンクのナースとか最高だよ!ナイスチョイスだよ!わぁ、丈短いね」

手にとってしげしげと見ているなつめに焦れる。

「早く着てこいよ」
「うん、早く着て、え?」
「着替えるとこ見たくねえ。萎える。家誰もいねぇからトイレで着替えろな」
「…僕が着るの?」
「あと誰がいんの?」
「え、そ、創」

一瞥するとなつめが黙った。

「俺がそんなの着ると思う?」

「…そうだよね、創樹くんがかわいく『どうかな』なんて言うわけないもんね…短い夢だったよ」
「早くしろよ変態が」
「あっえっ、は、…えぇぇ」

ナース服を片手にトイレへ向かうなつめの足取りは重かった。


 *


「どう、かな」
「うわーやっぱ短ぇな」

それはなつめの女顔とすらりとした体型によく似合っていた。
まぁピチピチだけど。

「気持ち悪いよね!脱ぐよ、脱いでくる!ごめんねなんか!」

くるりと踵を返しかけたその腰を掴んで引きずり倒す。

「いたぁ!何するの」
「ヤろ」
「え、気持ち悪いでしょ、脱いでくるから」
「どうせ脱がしてやるんだからいい、それエロいし」
「ほんと?変じゃない?」
「変か変じゃないかっつったらまぁ所詮女装だから変つか変態的だけど」
「変態的…」
「でもなつめの女装、結構ツボかも」
「本当に?!うれし…でもちょっとなんか恥ずかしいこれ」

俺は声音を作る。

「このままヤろ、ナース服脱がしたい」

なつめの唇をゆっくり舐める。少し顔を離してから誘うように舌を出す。

「創樹くん」

なつめが呟いて俺の口にむしゃぶりついてきた。簡単なやつ。
そういうとこ、嫌いじゃないけど。

たっぷりキスをしてから押し倒して太ももを撫でた。

「あっ、創樹くん…」
「お前太もも白いな」

しかもすべすべ。
でも手を進めて気づいた。こいつトランクス履いてる。

「お前……下着も買えばよかった」
「んっ」
「スカートめくってトランクス出てくるとかヤる気出ねえ」

一気に醒めた俺は、なつめの上から退いた。

「え、やめるの?」
「んー」
「ひっひどいよ!僕の羞恥心と下半身を弄んで!」

なんだかんだでヤる気まんまんだったらしい。

「じゃあさぁ、なんとかしろよ。もっとエロくなるように」
「エロく……」

しばらくじっと考えているなつめを観察する。

彰人ほどではないけどまぁ背は高い方だし、細そうに見えて実はバランスよく筋肉もついてる。体型はまじで好み。第一印象は「いい体」だった。正直顔はすぐ忘れたほどだ。

肌の色は白めで、顔は中性的。ちなみにこれは別に俺の好みではない。

ちょっとこれ新境地だな。
なつめの女装コスを全力で推し進めたい。

なつめはおもむろに立ち上がり、部屋を出てすぐ戻ってきた。なにやら足をもぞもぞしている。

「せんせ…」
「どうした変態ナース」
「…なんか下半身がすうすうするんですけど…」

俺の前に膝をついて、スカートの裾を少しつまんで見せる。

「それは大変だからちょっと横になって俺を乗せろ」

後ろに倒してスカートの中に手を入れると、布には一切触れずに勃ちあがったペニスに触れた。

「あっ」
「脱いだんだ、つかお前ガン勃ちじゃん」
「う…」
「興奮してんの?何に興奮した?自分の女装?」

なつめは顔を赤くした。

「や、なんか、あの、」
「なんだ言ってみろ変態」
「あの、えー、あ、」
「言えよど変態マゾ野郎」
「う、あっひぃっ」

面倒になってそこを強く握り込むと、なつめが先走りを飛ばした。



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