小説2

□アメとムチのコンビネーション
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よっし。
英語、自習になった。

「新美(にいみ)どこ行くの?」
「トイレー」

荒木の問いかけに適当に返事をして教室を出た。
うちのクラス以外は授業中だから、当たり前だけど廊下は静か。

木野っち、書道教室に居るかなー。
授業中じゃないといいな。





「しつれーしまーす」

そっと引き戸を開けると、書道教室は空だった。

「あれ、居ねえのか」
「誰?」

声がした方を振り向くと、隣の小部屋に続く扉が開いて木野っちが顔を出していた。

「新美?どうした?お前授業は?」
「佐藤のジジイ、自習」
「英語か。ダメだろ、教室戻りなさい」
「木野っちさぁ」

かわいい小顔を険しくして俺を見ている木野っちに、一気に近づく。
正面に立つとかなり見下ろさなきゃなんない。ちっちゃい木野っち。

「青戸とヤった?」

小さな声で聞くと、木野っちの顔が青ざめた。

やっぱりな。
カマかけただけだけど、思った通りだった。

賭けに負けて木野っちに「ヤらせて」って言いに言った青戸の様子がおかしくてすぐにピンときた。

男なんて絶対抱けないって言い張ってたから、意外とイけたことでバツが悪かったんだろうな。
それ以来、俺たちが木野っちの話をしても不機嫌な顔で返事を拒むだけだし。

だから言ったじゃん。
木野っちはイけるって。

「やべーんじゃねえの?生徒と淫行とか」
「い、淫行って」
「淫行じゃん。セックスしたんでしょ?」

木野っちは、せ、せ、と言いながら今度は顔を赤くした。
かわいいなー。

「俺、繊細だからさー、友達と担任がそんなことになってるなんて知ってまじショックなんですけどー」

わざとらしく眉を下げて言うと、窮地にいるのは自分なのに俺のことを心配そうに見てくる。

「なんか具合も悪いー。頭も痛いー。涙出そう」

元カノと電話してて寝不足だからだけど。

「新美…」

木野っちは俺の下手くそな演技でも信じてしまっている。あらら。

「他の先生に相談した方がいいかなー」
「それは待って!青戸に迷惑かけたくない!」

木野っちは必死な顔をして俺の腕を掴んだ。

なにそれ妬けるんだけど。

「どうすっかなー」
「おねがい新美。青戸にもお前たちと同じだけの未来があるんだよ。わかって」

至近距離で見つめられてお願いされるとか、かなりクる。
あとでもっと別のことお願いさせよう。

「じゃあ木野っち、俺の願いも聞いてくれる?」
「いいよ。なんでもする。青戸のことそっとしといてくれるなら」
「あいつ無関心装って木野っちに取り入ってんじゃねえよクソ」
「え?なに?」
「いや、こっちの話」

机の上にあるいろいろな用具を触るふりをしながら、そっと木野っちの背後に回り込んだ。

下を向いている木野っちを後ろから素早く抑え込む。

「木野っちさー、俺ともヤってよ。できるよね、青戸とできたんだから。これで拒まれたら俺ショックで学校来れなくなるかも」

早口で言うと、木野っちの抵抗は一瞬で終わった。









「あーまじやべえわ、授業中なのにねー」

俺の前に膝をついてフェラしてる頭を撫でてあげると、木野っちは鼻からふうっと息を吐いた。

「青戸にもフェラした?」
「んーん…」

わずかに首を横に振った木野っちに満足する。

こんなかわいい人にフェラさせないとか、ねーわ。

わざと腰を引いて、口から出されたペニスを木野っちのほっぺたとか鼻とか唇とかに押し当ててみる。
木野っちはまたくわえようとして、口を開けて一生懸命追ってくる。

ちょーかわいー!
なにこれ、なにこの生き物!

「木野っち、セックス依存症なんじゃねえの?これで教師とかウケる」

意地悪したくなって言うと、木野っちは微かに目を潤ませた。

「ほんと…こんなのダメなのに……」
「大丈夫だよ、俺が黙ってればわかんないから。もっかいちゃんとしゃぶって」

我に返っちゃって抵抗するかと思ったら、木野っちは素直に頷いて先っぽを舐めた。

なんなの?
天然だ天然だとは思ってたけど、それに加えて淫乱ちゃんじゃねーか。
青戸もこれにやられたのかなー。

「あーきもちい」

喉の奥に届くように腰を動かすと、苦しそうにはするけどちゃんと舌を動かそうとしてる。

「はは。木野っち顔射していい?」

聞くと、上目遣いで俺を見て、少し迷ったみたいだったけど結局くわえたまま頷いた。

あー。想像してたのの倍エロい。



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