小説2
□安達さん、シット。
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「あっ…はぁ、あ゛ぅ」
「感じるの?ああ、嬉しいよみっちゃん……みっちゃん、勃起しちゃったね」
恐ろしいことに、僕はそうした安達さんの変態行為に興奮を覚えるようになってしまいました。
「自分で触ってごらん」
「いっ、あ、イヤです…」
「いいから。オナニーしてみて」
「や……は、恥ずかしい…」
「ああ!もう!そんな顔をして!みっちゃんのエロさを受け止めきれないよ私は!お先に」
安達さんはそう言うなり自分のぺニスを扱き始めました。
僕の足を舐める音とオナニーの音が混ざって、ぐちゅぐちゅとお風呂場に響き渡ります。
「ほらもう、出そうだ、パンパンに腫れちゃったよ、見て、みっちゃん、オナニー見て」
「恥ずかしく、ないんですか、もう…へん、たいっ」
「はあ、はあ、恥ずかしくないよ、全然全くだよ、ああ…さっき一回出したから長持ちしてる」
「さっき?」
「みっちゃんのベッドでパンツの匂い嗅いでたら堪らなくなったので」
「けいさつ!」
僕が叫ぶと、安達さんは「うっ」と呻きながら射精しました。
安達さんの射精顔は、僕がこの世で好きなものベスト10くらいには入ります。
うつくしさが際立って仕方ないのです。
ちなみに1位はシチューです。
「はあ…みっちゃん、今度はみっちゃんだよ」
安達さんは自分の手についた精液を僕の太ももやぺニスに塗りつけました。
「あん、っ、はぁ、あ、はぁ、はあ」
「気持ちいい?ああ、我慢汁が出てきた。すすりますよ」
「ひやぁっ!だめ!出る!」
安達さんがぺニスを口に含んだと同時に僕は射精してしまいました。
「んぐっ、ん、ん…ああ……おいしい……もっと飲みたい」
「安達さん……ごめ、なさい…」
「なぜ謝る!ああ、蛇口をひねれば射精するような機能が君にあればいいのにね」
「…要りません……」
「しかし相変わらず早いねみっちゃんは」
ふふふと嬉しそうに笑う安達さんに、僕はいたたまれない気持ちを抱えながらもキュンとしてしまうのです。
「いっそのことカテーテルを刺してストローみたいに吸うっていうのは」
「痛いことをするなら引っ越します」
「許しません!」
安達さんは僕の腰に抱きついてきました。
「みっちゃん」
「はい」
「みっちゃんが居なくなったら、私の人生は終わってしまうんだから」
「そうでしょうか」
「そうだとも」
そう言って見上げる安達さんの顔は、ぽーっとしてしまうほど、やはりうつくしいのです。
「みっちゃん」
「はい」
「愛しているよ」
そう言って安達さんは僕の太ももに頬擦りしました。
安達さんの少し長目の髪の毛が肌をこすり、僕はくすぐったいのを我慢しました。
「みっちゃん」
「はい」
「みっちゃん」
「なんですか」
「みっちゃん」
安達さんは穏やかな声で僕を呼びます。
「明日も学校があるの?」
「ありますよ。単位をできるだけ稼ぎたいですし」
「バイトも?」
「はい。明日も」
そう言うと安達さんは盛大にため息をつきました。
「そんなに稼いでどうするの?」
「僕の実家は学費を出すのが精一杯なので、生活費を稼がなければならないんです」
「そうか。それならこういうのはどうだろうか」
安達さんは跪いたまま僕の両手を握りました。
「私が君の生活費を稼ぐから、君は学校が終わったらずっと私と一緒に過ごす、というのは」
安達さんの申し出は不可解で、僕は眉をひそめてしまいました。
「どうしてですか」
「何が?」
「どうして、安達さんが僕を養うようなことをするんですか」
すると安達さんは、聞き分けのない子どもを諭す親のような微妙な笑顔を浮かべました。
「みっちゃん、君は世の中の常識というものを知らないんだね、まあそれもそうだ、君はまだ若いからね」
「安達さんだって若いじゃないですか」
「君は20歳で私は28歳ですよ。まあそんなことはどうでもいい。君ね、世の中の夫が妻を養っても何ら不思議なことではないんだよ」
「僕は妻なんですか」
「そう」
「安達さんの妻」
「そう」
「ほう」
僕は驚いて変な返事をしてしまいました。
「みっちゃんは学びたいことがあって大学に行っているんだよね」
「はい」
「私は向上心のある人間が嫌いだった。でもみっちゃんを見ていたら、がんばっている人間の横顔というのは美しいと知ったんだよ」
安達さんはうつくしい顔でそんなことを言います。
「そもそも私は他人にあまり興味がなかった。自分すらどうでもいいと思って生きてきた。でもみっちゃんに出会って、私はみっちゃんのことも自分のことも出来るだけ大事にしようと思うようになった。こんなことは初めてだ。だからねみっちゃん。結婚しましょう、私と」
「いいえ」
「即答!清々しいね!全然空気読まないな!」
「さあ、さっさと上がってシチューですよ安達さん!」
「風呂上がりにシチューだなんて本当に君は変態だね」
安達さんにだけは言われたくなかった言葉をはっきり言われ、少しダメージを受けましたが、僕は気にしないようにして湯船に浸かりました。