小説2

□安達さん、ウェイト。
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みっちゃん。
愛するみっちゃんに、私の話をしようね。
こんな話をするのはこれが最初で最後になるだろう。

私の家はね、まあ言ってみれば裕福で、父も母も金に糸目をつけない人だった。

私は一人っ子で、教育はすべて訪ねてくる何人もの家庭教師から受けた。

そんなだから同年代の友達は皆無で、話をする者といえば執事や下男下女だけだ。

そういう環境で一応はなに不自由なく育った。

私が20歳の時分、両親が事故であっけなく死んだ。

莫大な遺産が私に入ったが、私には金も地位も名誉も自分自身でさえも、この世に何一つ、大事だと思えるものがなかった。

だから執事に自宅の屋敷や土地、ほとんどの財産の管理を任せて家を出た。

いつ死んでもなんの悔いもない代わりに、今死んでもいいという満足だって感じたことがなかった。

それでとりあえず命が勝手に尽きるまでと思って、この辺りでも激しくボロいこのアパートに住み着いた。

そうしたら、なんと、こんな悲惨な入れ物に、こんなにも美しい宝が眠っていたんだもの。

いや、宝は全然眠っていなかった。

むしろ忙しく学び忙しく働く清い生き物だった。

私は毎日、隣の部屋の音を聞くために壁に耳をつけてみた。

そうすれば、宝は勉強中でうんうん唸ったり、テレビを見て時折笑い声を上げたり、うたた寝をしてかわいらしい寝息を立てたり、忙しい忙しいと独り言を言ったりしていた。

私は宝に夢中になった。

かわいい、かわいい、今日もかわいい宝は一生懸命に生きている、なんて愛おしい、美しい、健気な生き物だろうと、何度幸福のため息をついたか知れない。

私とは違う、両親の力だけでのうのうとウジ虫のように生き長らえる私とは違う、宝は自ら転がり自ら磨かれに行き、輝きを増すようだ。

これが人間の力。

素晴らしい、人間は素晴らしい生き物だったのだ、今までそれを私に誰も教えてくれないし見せてくれなかった。

そうだよみっちゃん、みっちゃんが私にそれを教えてくれたんだよ。

わかるかな。

みっちゃん。

愛しているよ。

ね、返事をしてみっちゃん。

















「返事なんてできるわけないでしょうが!っや、あ…安達さんのバカ!」
「バカとは何です」
「あっ!何を!ぁん…」
「ああ、いいねみっちゃん。いい格好だこと」

安達さんは僕の両手を後ろ手に縛り、お尻だけ上につき出すような格好をさせました。

裸に靴下だけ残されて、です。

そうして指を挿入して、僕の中をきちゅきちゅとかき回しながら、安達さんはそんな昔話をしたのです。

「普通はこうもっと、夜空の下で手を握り合いながら聞くようなお話ではないですか!」
「そうなのか?知らなかったけれど」
「少なくとも、こんなことしながらなんて…っあ」
「ねえみっちゃん。私ね、ちょっといいことを思いついてしまったから、今度披露するからね」
「いいですいらないです!どうせろくなことじゃ、あっ、ないんですから」
「みっちゃん、それでね、私は今、投資でお金を得ているんだよ。みっちゃんに出会ってから、自分も少々がんばってみようという気がして勉強をしたんだ。それで、あ、今忙しくなりそうだから続きはまた後で」
「忙しい?あっ!やああっ!」

安達さんは何の前触れもなく僕にぺニスを挿入しました。

「やっ、あっ、あぁっ」
「はぁ、は、みっちゃん、そんなに締め付けないで、あっ、はぁはぁ、そんなに私の精液が」
「いらない!いりません!」

安達さんは僕の体を仰向けにして足をパカンと開き、上から乗っかるようにして挿入しなおしました。

「あうっ」
「みっちゃん、私の子を孕んで」
「無理ですっあっ、だめ、中で出さないで…」
「そんな顔で言われたら出さざるを得んね」
「ひっひどいですよっ」
「ねえ、ふふ、あっ、みっちゃん、奥さん、ね、奥さん、妊娠してしまうよ、どうしようね、はぁ、はぁ」
「っもう、やぁっ変態!」

安達さんは「うぁっ」と言って僕の中に射精しました。

いつ見ても滑らかな陶器のようにうつくしい射精顔です。

「それでねみっちゃん。投資の話の続きだけれど」
「あっ、もう、安達さんたらひどいです」
「大丈夫大丈夫、おしゃぶりをしながら話すから」
「何が大丈夫なんですか!あっだめ安達さんっ、んん、」
「あらあら、カッカしてお腹に力が入ったのか、あそこから私の子種が流れ出ているよみっちゃん。美しい。白い滝のようだ」
「やめてください」
「はいはい」

安達さんは僕の手を縛っていた荒縄を解きました。
荒縄は、わざわざ近くのホームセンターで買ったそうです。雰囲気にこだわったんだそうです。僕にはよくわかりません。というか、ホームセンターで荒縄が買えることを僕は初めて知りました。

「まぁ、株の話はまた今度。みっちゃんのかわいい声を聞こう」
「あんっ」



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