企画小説

□本城のおねんね
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目を開けると、本城は姫野と夜の公園にいた。
薄暗く、木々の生い茂る中、風で葉がさわさわと鳴っている。

ベンチに座った本城の隣に姫野がちょこんと座り、本城の手を握ったままキョロキョロと周りを見渡している。

「どうしたの」

本城が声をかけると、姫野は一瞬飛び上がって見えるほど驚き、本城を見上げた。

「なんか……変な人いっぱいいる」

一緒になって周りを見ると、確かに夜の公園にしては人がいる。
しかも、男同士のカップルばかり。
見てはいけないような、甘い雰囲気が漂っている。

楽しい夢になりそうだ、と、本城は1人微笑む。

「もう帰る」

姫野が手を引っ張って立たせようとするのを、本城は逆に引き寄せて自分の膝に乗せて抱き込んだ。

「ちょっと、なに」
「いいじゃない。俺たちもイチャイチャしようよ」
「バカじゃないの」

もがいて逃れようとする姫野を、本城はさらにきつく抱いた。

「ね、姫野。しよ?」
「はっ?!やっ、やだ、放して」
「ダメだよ暴れちゃ。悪い子はこうしちゃうよ?」

本城はポケットに手を入れて手錠を取り出す。姫野の腕を後ろに回して両手を拘束した。

「何するの!ほんとにバカじゃないの!」

振り向いて睨み付けるその強い瞳がだんだん蕩けていくのを見るのもすごく好きなんだけれど。

「変な人が来ても怖くないように、目隠ししてあげるね」

諭すように優しく言った。

ポケットに手を入れるたび、欲しいアイテムが出てくる。
次に手にしたのは、幅のある真っ赤なサテンのリボン。

本城はするするとそれを姫野の目に巻く。

「や……やだ……」

目隠しをされて感じたのは嫌悪より恐怖だったらしく、姫野は後ろの本城に背中をぴたりとくっつけた。

「大丈夫。怖くないよ」

本城は優しく言ってやり、自由を奪われた体をぎゅっと抱いた。

髪に、頬に、首筋に、ゆっくりキスを落としていく。

んん、とむずがる姫野の制服の前ボタンを、本城は手元を見ずに器用に外していった。

「やだ!やめて!変態!」
「あれ、そんなこと言っていいの?」

本城は躊躇なくシャツのボタンも外し、それから姫野のベルトにも手をかける。

「いっ、やだ!」
「俺のこと変態だなんて言うからだよ。姫野の方が変態なのに」
「違う!」
「違わない。ほら、できたよ」

話しながら、本城は姫野の制服を中途半端に開いていた。

真っ赤なリボンで目隠しをされて後ろ手に拘束されている姫野は、本城に後ろから抱かれて、腕を通したままのシャツとブレザーから胸や腹を晒し、ズボンは太ももまで下げられている。下着は履いたままだった。

「見られ、ちゃう…」

弱々しくなった姫野の声を聞いて、本城はぞくぞくした。

ほら。もう興奮してきてる。
変態だ。

「恥ずかしいね。すっごく恥ずかしいよね。誰が見てるかわかんないのに」
「あっや、やめて」
「困った子だなぁ」

本城は姫野の肩越しにじっくりとその体を観察した。

「すっごくやらしい格好だよ」
「いや、おねがい、やだ…」

姫野は言葉に反してほとんど抵抗しなかった。

「これからどうされるか、わかる?」

耳元に息を吹きかけながら聞くと、姫野の体が強ばった。

「恥ずかしい声いっぱい出させてあげるからね」
「んっんん……」

腹から脇腹、胸へと、本城はつーっと指で優しく撫で上げた。

「ひ、」

姫野が体を跳ねさせたその時、大学生くらいの男2人が本城たちの前を通りかかった。
彼らは姫野の痴態に気づき、1人は見て見ぬふりをして通りすぎようとしたが、1人が完全にフリーズして立ち止まってしまった。
目は姫野を凝視している。




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