小説3

□25 創樹とかんざし
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「わぁすてき。なっちゃんやべえ」
「髪のまとめ方まで勉強したんだね」
「かんざし挿そうぜ」

着せてくれた創樹くんが、ちょっと離れて僕を見て、言葉と裏腹にニヒルに笑った。

「かんざしまで買って…」
「さ。行くか」
「え、あ、待って創樹くん、あ、歩きづらい…」
「かわいいなつめ。大好きだわ」
「よし。行こっか」
「どこでヤる?」
「前提?!」
「ヤることになるに決まってんだろ、お前変態なんだから」

言いながら先に立って玄関を出た創樹くんを見て、外に出る覚悟を決める。

どうか知り合いには会いませんように…。





出店が並ぶ中を歩く。ソースが焦げる匂いや焼鳥が焼ける匂いに誘われて動く人の波。

なるべく目立たないようにと身を縮ませているけど、すれ違う人がたまに凝視してきていたたまれない。

「恥ずかしい……」
「勃起した?」
「むしろ縮こまってるよ」
「なんで?変態のくせに」
「ねえ創樹くん、僕、創樹くんと2人になりたい」

恥ずかしさとぞうりの鼻緒の食い込みが限界を迎えて、思わず隣を歩く創樹くんの手を取った。

「ヤりてえって素直に言えば」
「違うよ」
「俺はちょっとムラムラしてんだけど」

僕をちらっと見上げた目は冷たくて、ぞくりと震える。

「公園の方行くぞ」
「うん」

僕は顔を伏せながら、創樹くんについて歩いた。
巾着型のバッグについた鈴がちりりと鳴った。

公園には木のベンチがあって、その奥の草むらの向こうにもいくつかベンチが見えた。

「なあ、お前見ててすげえヤバかった」
「何が?」
「ほら、さわれよ」
「あっ、創樹くん…すごい…硬い…」

ベンチに座らされて、創樹くんが僕を跨ぐように向かい合う。

「お前、本格的に男の娘として仕事でもすれば?ぜってえ売れる」
「何言ってるの、そんなのダメだよ」
「なんで?常に勃起しちゃうから?」
「そんなわけないでしょ…」

僕が女装するのは創樹くんのためなのに。

「何。キレたの?」

創樹くんが、ニヤニヤしながら僕の股間に股間を擦り付ける。ゆっくり、腰を回すようにして。

「怒ってないけど…」
「なんだよ」

創樹くんをぎゅっと抱く。

「こんな格好、創樹くんのためにしかしたくないよ」
「ふん」
「好きだよ、創樹くん」

耳や頬にキスをする。

「すごく、好きだ。狂いそう」

囁いて、またキスをする。

「もう狂ってんじゃん」

そう言って笑う創樹くんのためなら、困ったことに、何だってできちゃうよ。

「浴衣の下の方開いてちんこ出せ」
「え、うん…」

そんな命令にだって従ってしまう。嬉々として。

いやべつに変態だからとか興奮するからとかそんなわけじゃ

「あれ?」
「うわ、お前もガチガチじゃねえか。やっぱ変態。さすがだな」
「ち、違うよ、創樹くんがえっちな腰の動きするから…」
「顔赤くしてんじゃねえよ変態」

創樹くんが地面に降りて、紫のレースのパンツからはみ出た僕のを指で弾く。それからしゃがんでくわえた。

「ああっ」

創樹くんは本当にフェラがうまい。一気に理性がフライアウェイだ。

「は、すごい……えっちな音、聞こえちゃうよ…」
「いっそ見てもらえよ、お前のこのひどい格好」
「だめ、見ちゃだめ…あ、どうしよ…ね、出ちゃうよ、創樹くん、早く、早くいれたい…」

僕の情けない声を聞いて、創樹くんはまた僕に跨がる。

「キスしてやるから解せ」
「うん」

熱くてえっちなキスをしてもらいながら、創樹くんの後ろを指で拡げていく。

「んっ…ふ、」
「ああっなつ、なつ…」
「創樹くん……うわっ」
「痛くしてやるからもっとがんばれよ」
「あ、っい、いたい…」

下唇をまあまあの強さで噛まれる。


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