小説3

□安達さん、テレフォン。
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あぁみっちゃんの枕カバーがこんなにいやらしいことに、という呟きに、少しばかり絶望を覚えました。

やがて安達さんは満足げにため息を吐きました。

『みっちゃん』
「…はい」
『今、私が何を考えているかわかるかな』

安達さんの声は優しくて、なんだかとても恋しくなりました。
このように変態的な安達さんに、僕は優しく抱きしめてほしくてたまらないのです。

「会いたいな…」

思わず口に出してしまい照れていると、安達さんはふふふと笑いました。

『そう…当たりだよ、みっちゃん』
「え…?」
『君に会いたいよ、今すぐ』

僕は嬉しくって少し泣きそうになってしまいました。
早く帰りたい。あんなに楽しかったはずの合宿が、急に僕たちの邪魔をする恋敵のように思えて来たのです。

『みっちゃん。愛しているよ』
「ぼ、…僕も」

このようにして、名残惜しくも電話での愛語りは終わってしまいました。

その後僕は、体の火照りを鎮めるために、田んぼのあぜ道を小一時間走ってから部屋に戻ったのでした。





-end-
2014.9.26

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